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技能実習制度を活用して外国人を積極採用

小売りや建設など人手不足が深刻な業種の企業が外国人の積極採用に乗り出す。働きながら技能を学ぶ「技能実習制度」が4月に拡充されたのを機に受け入れを増やす。教育制度も充実させる。人手不足で事業に影響が出る企業も増えるなか、外国人を戦力に活用する動きが広がってきた。

今年4月、技能実習制度の対象職種に「総菜製造」と「牛豚食肉処理加工」が加わった。これを受け、食品スーパーのヤオコーは2016年度末までに100人以上の外国人を受け入れる。多くが10代後半から20代の若者になる見込みだ。既に4店舗程度で刺し身を加工する中国人6人、パンを作るスリランカ人6人が働いている。
(日本経済新聞 12月3日)

グローバル企業であれば、従業員の雇用や昇進に年齢、性別、国籍は関係なく本人次第という文化から、外国人採用という概念すら消え去っているのだろうが、おおかたの日本企業ではそうはいかない。人手不足の解消策として外国人に頼らざるをえない状況とはいえ、やはり決断を伴うようだ。

外国人採用が検討されている介護業界でも、採用に踏み切れない例は多い。ある介護事業者は人手不足の解消にまったく目途がつかなくとも、外国人採用は考えていないという。代表者は「介護スタッフは利用者の日常に寄り添う仕事なので、ホスピタリティにすぐれた外国人でも、生活習慣の違いが微妙なズレとなって出てしまうのです」と話す。

さらに、やがてアジア各国でも少子高齢化が進めば、人材を日本に送り出せない状況にもなりかねない。外国人採用では送り出す側の事情も視野に入れる必要があるが、そんな一般論にかまっていられないほど人手不足は深刻である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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