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東芝、不正問題の責任で幹部33人の賞与を不支給

 東芝は、不正会計問題や業績不振の責任を明確にするため、室町正志社長をはじめ執行役33人全員の賞与に相当する報酬について、今年度は支給しないことを決めた。

東芝の執行役の報酬は、基本報酬と職務報酬に分かれている。職務報酬のうち4割程度が一般社員の賞与に相当し、担当部門などの業績に連動して支給額が変わる仕組み。今まではこの業績連動部分だけで約1千万円を受け取る執行役もいたが、今年度はゼロにすることを社外取締役でつくる委員会が決めた。詳しい支給額は公表していない。

職務報酬は例年、夏に1年分の額を一括して決めている。しかし、今年度は不正会計問題で支給するかどうか判断を先送りしていた。一方、月ごとに支給される基本報酬は9~2割の減額を続けている。また、4日に支給される予定の一般社員の冬の賞与も大幅に減額される。
(朝日新聞デジタル 12月3日)

これは当然の措置である。賞与が不支給になったところで、基本報酬は支給されるのだから御の字。不正に関わっていない部門の執行役にとっては、とんだトバッチリを受けたことになるが、執行役に就任した以上はやむをえない。

腹の虫が治まらないのは一般社員だろう。社員株主であっても、一般株主のように訴訟を起こすわけにはいかず、減給措置に対して忍従を強いられるだけだ。
再建がもたつくようだと、再就職先に見つかりやすい若手社員のなかには、退職者が相次ぐだろうし、人材の草刈場になるかもしれない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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