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シャープ、若手社員の離職が止まらない

 
経営再建中のシャープは1日、社内を事業ごとに分けるカンパニー制を導入した。家具量販大手ニトリへの売却が決まった本社(大阪市阿倍野区)では平成27年度下半期の目標に関する社員向け説明会が開かれ、高橋興三社長が「経営のスピードを高め、収益基盤の強化を図る」とカンパニー制の効果を強調し、「何としても立ち直らせる」と決意を述べた。シャープは9月末に3200人以上が希望退職したうえ、若手社員の離職が止まらない。株価は年初来最安値を記録するなど不安定な状況が続く。不安を抱えたままの船出となった。

「再成長軌道に乗せられず、3200名を超える方の希望退職を募集せざるを得なかったことに、改めておわび申し上げる」

高橋社長は4階集会室に集まった社員約640人に謝罪した。
(産経新聞 10月2日)

人員削減を何度も実施すれば、経営陣がどんなメッセージを出そうと、雇用に対して疑心暗鬼になって離職者がつづくのは当然だ。いまのシャープにとって有効なメッセージは「人員削減はもう実施しない」という宣言だが、そんな状況ではあるまい。

かりに若手社員が燃えるような意欲をもって働けば、それがボトムアップされ、見違えるような回復も起こりうる。社員の心に点火するには、再建シナリオの精度だけでなく、過去の経営陣がどれだけ多くの社員に納得される責任を取ったか。

言い換えれば、社員が(意気に感ずる)という心境になれるかどうかだ。人を動かす基本である共感力が問われている。

 

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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