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ヨンドシーHD、契約社員を正社員に切り替え

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宝飾品製造・販売大手のヨンドシーホールディングスは主力ブランド「4℃」などを販売する傘下の事業会社のすべての契約社員について、1人を除く168人を正社員雇用に切り替えた。勤務形態を整えて人材を囲い込む。今後は契約社員制度を廃止し、新卒と中途採用で販売体制を強化する。2015年2月末時点で、事業会社の販売員としてアルバイト98人を含む969人が働いている。販売員の今春の新入社員は約100人と昨年の2倍にな
(日本経済新聞 4月15日)

イオンやセブン&アイのような大手小売業だけでなく、宝飾品販売の企業でも契約社員を正社員に移行する動きが顕在化してきた。宝飾業界は比較的事業規模の小さな業界だが、ここまで正社員化の波が押し寄せているということは、処遇改善による雇用確保の流れが中小企業まで波及していることを示している。この流れがさらに拡がれば、賃金上昇による景気回復というシナリオにとって追い風となるだろう。

元々、宝飾品販売は、顧客との関係が重要な業種である。販売員には、来店した顧客の趣向やニーズを汲み取り、それに合った宝飾品を提案する能力が求められる。マニュアルどおりに作業をこなせばよい、コンビニのレジ担当とは違う。

また、一度、購入した顧客との関係を継続して絶やさず、リピーターとして何度も店に足を運ぶ優良顧客になってもらうには、販売員と顧客との個人的な信頼関係が重要だ。大手の宝飾品店では、顧客へのイベントやキャンペーンの案内は担当する販売員の名前で出す。

契約社員の正社員化は、こうした顧客関係の維持・強化にも役立つことが期待できる。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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