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エスキュービズムが新事業の社長公募

「やる気と覚悟で合否を決める」。電子商取引(EC)サイト構築などを手掛けるエスキュービズム・ホールディングス(東京・港、藪崎敬祐社長)は、社内ベンチャーの社長を公募する。経営者を志す会社員や学生らを募集し、年に20社程度立ち上げる新会社の社長に就ける。経営に関心のある社員が社内で不足していることに対応する。
募集は8月中旬から始める。資金や経営の経験、事業計画書などは不要で、まずは書類選考と面接で約200人を選定。社内ベンチャーで取り組み事業が決まった段階で再び面接し、社長など事業の責任者に据える。事業が失敗しても、別の新規事業の責任者として再挑戦させるなどして雇用は維持するという。
(日本経済新聞 8月10日)

滅私奉公の働きをして立身出世を果たすよりも、過大な責任を回避してワークライフバランスを図るという志向性が強まっているようだ。市民としては健全な生き方だが、アベノミクスの成長戦略にとっては、むしろ我利我利亡者のほうが望ましいのではないのか。
傍で見れば「人の上に立ちたい」とか「同僚に勝ちたい」という姿勢は、ときに見苦しい。他人を踏み台にして優位な立場を確保するという志向性は、卑しさを伴うものだ。しかし業績向上に貢献するのは、得てして立身出世至上主義者で、こういうタイプが増えないとアベノミクスは困るのである。
社長公募に応募する面々はどんなタイプだろうか。いまどき「社長」という肩書きを欲する人は多くはないだろうが、それでも「社長」と呼ばれることに恥じらいや衒いを感じない性格でないと務まらない。人の上に立ち、人の前に出るのに羞恥心は無用だ。自己顕示欲は成功する社長の必須要件と言えなくもない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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