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60代後半の5人に2人が働いている

年金をもらいながら働く人が増えている。60代後半のうち、働く人の割合を示す就業率は2014年度に40.7%と前年度を1.8ポイント上回った。5人に2人が働いている計算で39年ぶりの高さとなる。かつては働く高齢者といえば自営業主が大半だったが、今は流通・介護・製造など人手不足の業界で雇われる人が多い。働き手が増えれば、消費の押し上げや年金制度の安定にもつながりそうだ。
総務省の労働力調査で集計した。65~69歳の就業率は1975年度以来の高さで、40%台も21年ぶりだ。男性に絞れば51%と16年ぶりに50%を超えた。女性も31%と初めて3割を超えた。
(日本経済新聞 5月27日)

60代後半の就業者が増えているのは、経済的な理由だけではないだろう。まして健康寿命の延伸という国是を体現しているわけでもなく、そもそも、この年代で隠居する理由がないという単純な理由ではないのか。
75歳で週3日働いている男性は、その合間にテニスを楽しんでいるが、働いているからこそ楽しめるのだという。「毎日テニスをやっていたら楽しくないでしょう。忙しいなかで時間をつくるから仕事とのメリハリがついて楽しめるんですよ」。
働く高齢者が増えれば、地方創生策の一環として模索されている日本版CCRCは遅々として進まなくなるかもしれない。現役高齢者が高齢者タウンに移住したいとは思わないだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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