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ミキハウス、従業員1人に最大50万円の臨時賞与支給

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ベビー・子供服のミキハウス(大阪府八尾市)は22日、全従業員に総額3億円超の臨時賞与を支給する方針を明らかにした。本格化している中華圏の旧正月「春節」など訪日外国人向け商戦が好調なためで、パート従業員を含めて1人当たり最大50万円程度を支給。大幅な賃上げも合わせて実施し人材を囲い込む。
木村皓一社長が産経新聞の取材に明らかにした。4月には月額1万円程度のベースアップ(ベア)を実施予定で、新卒初任給も1万5千円引き上げる。
臨時賞与の支給は従業員の貢献度に応じて行い、支給総額は2月末までの今年度決算を反映させる。昨年度も臨時賞与を支給したが、今年度の売上高はアジアの富裕層の消費で約2割増の見通し。木村社長は「優秀な人材は業界で取り合いになっている。パートでも結果を出した人は評価し、利益を還元したい」と狙いを話している。(産経新聞 2月23日)

中国人観光客の爆買ニュースを見ると、一時的とはいえ、特需で潤った小売店やメーカーがかなりあるだろう。消費増税で国内の消費が冷え込むなかで、春節はともかく、年間を通してアジア各国の富裕層が来日する仕掛けに、各業界は一層本腰に入れるに違いない。

観光立国とは言い換えれば“消費立国”である。富裕層が観光に来日すれば、必ず相当な消費をしていく。インバウンド需要をどれだけ吸収できるかが、景気対策の一つのテーマに浮上する時期も来るかもしれない。

それにしても、ミキハウスの臨時賞与の支給では、パート従業員も対象となったことから士気が高揚するだろう。インバウンド需要を取り込むアイデアが、現場からどんどん提案される空気が広がることを期待したいものだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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