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厚労省が職員の残業削減を本格推進へ

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1月27日、厚生労働省の職員は原則として毎日午後8時までに退庁、やむを得ない場合でも同10時までには退庁するという方針を打ち出しました。長時間労働削減推進本部の下に「省内長時間労働削減推進チーム」が作られこの方針を提言しました。手始めは大臣官房などで、3月から先行実施し、10月以降は全部局を対象とするとしています。
(中略)
「霞が関国家公務員労組共闘会議」によると、霞が関の中央省庁で働く国家公務員の2010年の平均残業時間は月35.1時間とあり、最多残業時間は旧労働省の67.9時間。次いで旧厚生省の58.1時間。経済産業省が50.5時間、旧運輸省が47.8時間と続きました。
長時間労働を是正する厚生労働省の残業時間が全省庁でもっとも多いというわけで、塩崎恭久厚生労働大臣の主導で「厚生労働省働き方・休み方改革推進戦略」が実施されることになりました。今年3月から半年間、次の取り組みを官房各課と各部局筆頭課で試行的に実施し、10月から本省において本格実施するといいます。(THE PAGE 2月12日)

今年1月、ある業界団体の賀詞交換会で経済産業省の幹部に労働時間を尋ねたら、彼は苦笑ながら話した。

「霞ヶ関の官僚の労働時間はブッラク企業以上でしょう。私も何時の間にか月に200時間の残業をこなさないと“働いたなぁ”という気がきません。良いか悪いかは別として、そういう体質になってしまったのです」。

今年4月の介護報酬改定を所管する厚生労働省の老健局には、1週間も省内に泊り込む職員もいたという。ともかく霞ヶ関の官庁街の風景は不夜城である。厚労省が労働時間削減に取り組むといっても、国会会期中や年度末には徹夜を強いられるだろうし、来年4月の診療報酬改定に際しては、たぶん保険局医療課の職員は泊り込むのだろう。

業務を見直して削減すればよいものをとも思うが、業務縮小は行政権の縮小をもたらすと懸念しているのだろうか。それよりも健康を大切にされたし。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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