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2016年大学生・大学院生新卒採用は増加の見通し

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大学3年生に取材すると、「先輩は内定をいくつももらっていたので、自分も何とかなるだろう」「3月から説明会に出席すればいい」といった発言を聞くことが多い。
しかし、本当に3年生は容易に内定を取れるのだろうか。人気企業には1万人以上の本エントリーがある。より好みしなければ就職できるだろが、志望企業に入社するのは難しいはずだ。リクルートワークス研究所や就職四季報のデータを基に2016年新卒採用(現3年生)の現実を展望する。
リクルートワークス研究所が民間企業の2016年3月卒の採用見通しを発表した。同研究所の調査によると、2016年卒対象の大学生・大学院生の新卒採用見通しは、「増える」が14.0%、「減る」が5.3%と、「増える」が「減る」を上回った(+8.7ポイント)。2015年卒(+7.8%ポイント)に引き続き、大学生・大学院生の新卒採用数は増加する見通しだ。(東洋経済オンライン 12月15日)

この1年、中堅・ベンチャー企業を取材する機会が多かったが、知名度が不足している企業は採用に苦労している。事業内容や市場性を熱心に説明したところで、学生にはなかなか判断できないうえに、「夢」や「志」という言葉を連発すれば内容空疎なイメージを伝播しかねないし、体育会系の熱気には引かれてしまう。

中身が理解されなければ、結局は知名度で判断されてしまうのだ。やむをえまい。かつて知名度不足のベンチャー企業は株式上場構想を仕立てあげて、入社すればステータスと財をものにできると訴求したものだが、いまの学生気質にはなじまないだろう。

何かしら話題を提供できないと、応募の選択肢に引っかからないのが現実である。事業内容に革新性がなければ、社会活動でもよいから、ともかく話題を発信することだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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