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来春の賃上げ、年内に3者で合意へ―政労使会議

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政府は19日、経済界、労働界の代表と賃上げや雇用問題を協議する政労使会議の第3回会合を官邸で開いた。政府側は経済の好循環実現のため、2年連続となる賃上げを要請。経営側は業績の好調な企業を中心に賃上げを行うことを前向きに検討すると表明した。12月14日の衆院選投開票後に議論を再開し、年内に3者の共通認識を反映させた合意文書を取りまとめる。
会議で安倍晋三首相は、「今年の年末も、賃金が上がるという展望を示せれば好循環の2巡目は大きく前進していく」と強調。円安のメリットを受け好業績の輸出型大企業を中心に賃上げや設備投資、下請け企業の取引条件の改善などに取り組むことを求めた。
これに対し、経団連の榊原定征会長は「経済の好循環のため努力したい。来年春の賃上げは必要と認識している」と応じる方針を示した。また、賃上げの原資を確保するための法人税減税や規制緩和に政府が取り組むことを求めた。(産経新聞 11月19日)

政府・与党はアベノミクス健在をアピールするためにも、衆院選対策で賃上げを重要な材料にしたいだろう。経団連の榊原定征会長も賃上げを追認したとなれば、今年度上半期と同様の現象が起きるのではないか。

連合の出番がなくなることはまだしも、賃上げ余力のない中小企業は人手不足倒産に追い込まれ、一方で無理をして賃上げをした中小企業は、人件費倒産に見舞われる。消費増税の延期による税収不足で、中小企業への支援策もどこまで講じられるのか。

大手と中小との格差がますます拡大するなかで、これは今に限ったことではないが、中小企業に問われるのは有効供給の創出力だ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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