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ドワンゴが来年度の新卒入社試験でも受験料を徴収

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ドワンゴは2015年度に続き、2016年度の新卒入社試験においても「受験料制度」を実施すると発表した。
同社は2015年度の新卒入社試験で、ニコニコ動画にちなんで2525円の受験料を徴収した。就職活動支援サイトでエントリーが容易になり、学生が多数の企業に申し込むのが当たり前となったことで就職活動や選考の手間だけが増えている状況を受け、本当に入社したい人にエントリーしてもらうためとして行った。
これにより、応募者が減少する一方で前年と変わらない数の内定者を出すことができ、内定辞退者も減少するという「期待通りの結果」を得られたという。その一方で、東京労働局からこの受験料は採用活動の手数料に当たらない可能性があるなどの指摘を受け、翌年度以降は実施しないよう行政指導を受けたとしている。また受験料は日本学生支援機構に寄付する予定だったが、行政指導を受け、同機構と協議して中止した。
2016年度はこの指導を受け、受験料制度の一部内容を変更する。書類選考までに実際にかかる費用として算定した金額(約6000円)を受験生と半分ずつ負担することにし、3000円を受験料として徴収する。受験料の寄付は行わない。(ねとらぼ 11月12日)

東京大学を記念受験するのと同様に、人気企業に記念応募する学生が多いらしい。リクナビのエントリーシステムがそれを助長したとも伝えられるが、理由が何であれ、応募を受ける人事担当者の業務負担はたまったものではあるまい。

エントリーシートの記載内容を見れば、真剣か記念かはすぐに察知できるだろうが、そのためにはシートを見なければならないのだ。その意味で、ドワンゴの受験料徴収には意味がある。受験料収入は人事担当者への負担手当などに充当すればよい。

私立大学が受験料収入を大きな収入源にしているように、企業も受験料収入を収益事業化すれば、人気企業では人事部が収益部門に転換するかもしれない。受験料収入の目標値が定められ、採用手法も一変するだろうが、またしてもリクルート社が何か仕掛けてくるに違いない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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