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社外取締役がいる東証1部上場企業は1345社

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東京証券取引所が17日発表した社外取締役の選任状況によると、社外取締役がいる東証1部上場企業は1345社、全体に占める割合は74%だった。昨年8月時点から253社増え、導入企業の比率も約12ポイント上昇して最高。外国人投資家らが、社外取締役による監視を通じて企業統治の強化を求めていることなどが背景にある。
6月末までに株主総会を開く上場企業を対象に調べた。今年は新たにキヤノン、東レなどが導入(予定も含む)。当該企業と取引関係などがない「独立社外取締役」の採用比率も61%(昨年47%)に高まった。
政府が成長戦略に盛り込んだ「コーポレートガバナンスコード(企業統治指針)」も社外取締役の活用などを想定している。日本取引所グループの斉藤惇グループ最高経営責任者は会見で「企業価値向上につながるよう経営者と協議する」と、来年半ばまでに指針を策定する考えを示した。

企業に対する信用のバロメーターは何か。それは、投資家にとっては時価総額である。投資家が企業にもっとも求める株主価値は時価総額の極大化だ。人件費が収益性を圧迫していると判断すれば、ためらわずに人員削減を要求する。

苦楽をともにした社員とその家族を路頭に迷わせてよいのかどうか。その是非は時価総額を前にして利益相反要因として斥けられる。というよりも、そもそも考慮の対象外である。

外国人投資家のシェアが増加し、その意を受けた社会取締役は、それこそ虫けらのように社員を取り扱うことを取締役会に求めてゆくかもしれない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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