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ステーキのどん、4年間の講座修了者を年収800万円以上で採用

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吉野家ホールディングス傘下で「ステーキのどん」を運営するどんは海外展開の加速に向け、人材の獲得・育成プログラムを導入する。18~29歳の大学生や社会人などを対象にマーケティングや店舗運営を学ぶ4年間の講座を開設。修了者が希望すれば年収800万円以上の執行役員待遇で採用する仕組みだ。
受講希望者を7月末まで募り、9月に開講する。2~3カ月ごとにリポートを課す通信教育方式で、1年目は外国人とのコミュニケーション方法などが課題。2~4年目は座学や店舗実習も交え、マーケティングや経営管理を学ぶ。受講料は不要で、どんが交通費など実費を負担する。
課題ごとに合否を決め、合格した受講生だけが次回に進める。4年間のプログラムを終えた段階で受講生が希望すれば採用する。1期生は5人前後を見込み、このメンバーがチームを組んで特定地域への進出や店舗網拡大を狙う。(日本経済新聞 電子版 6月17日)

このプログラムは“吉野家版MBA”なのかもしれない。MBAはいわば経営のエビデンスで、理にかなった経営を実践できるライセンスのようなものだ。もちろんMBAホルダーの失敗例は枚挙にいとまないが、それをもってMBAの価値が毀損されることはない。

勘と経験が真に活きるのは、理にかなった経営の実践が前提となる。そのレベルを担保するのがMBAだ。

それにしても、4年間の講座を修了して、希望すれば年収800万円以上の執行役員待遇
で採用されるとは、ずいぶん太っ腹な人事だ。いくら労働市場で外食企業が不人気とはい
え、執行役員待遇が用意されば話は別である。

この制度の成果は、執行役員待遇で入社した人材の働きぶりで判定される。むこう4年
間は期待にとどまるが、着目すべき取り組みであることは間違いない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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