Talk Genius

人と会社と組織を考えるニュースマガジン

有効求人倍率が16カ月連続で改善

有効求人倍率,労働力調査,労働市場,景気回復,雇用情勢,就職活動

厚生労働省が2日発表した3月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月に比べ0.02ポイント上昇の1.07倍と、16カ月連続で改善した。2007年6月以来、6年9カ月ぶりの高い水準となった。一方、総務省が同日発表した労働力調査(同)によると、3月の完全失業率は前月比横ばいの3.6%だった。
緩やかな景気回復を背景に、労働市場の改善傾向が続いている。4月の消費税率引き上げ後の需要減を見越して求人を控える動きが一部であり、求人数は減少したが、雇用情勢の改善などで求職者数も減り、求人倍率は引き続き改善した。
労働力調査によると、失業者数は前月比3万人増の236万人、就業者数は14万人増の6346万人。製造業を中心に男性の就業が増加しており、総務省は「雇用情勢は引き続き持ち直しの動きが続いている」と分析している。
有効求人倍率は求職者1人当たりに何件の求人があったかを示す指標。都道府県別では、愛知県が1.55倍で最も高く、沖縄県が0.63倍で最も低かった。(時事通信 5月2日)

都内の私立大学4年生によると「大手企業や外資系の一流企業の新卒採用の内定は、3月末にほとんど出尽くしたようです」。この4年生も大手情報関連企業から内定をもらったという。就活を終えた学生がどんどん出ているのだ。

雇用情勢が改善されながらも、一方で3月の完全失業率は前月比横ばいの3.6%、失業者数は前月比3万人増の236万人というデータが示すのは、就業にも格差が開いているという現実だ。この需給ミスマッチはマッチングの仕組みでなく、雇用側の要求スペックと求職者の保有スペックの乖離が著しいことに起因している。

しかし人手不足がさらに続けば、スペックに満たない応募者を雇用せざるをえなくなる企業の続出は明らかだ。いわばリストラ予備軍を雇用するという倒錯した現象が起きるのである。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

この著者の記事を全て見る

Talk Geniusとは-

ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。