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ハースクレイ、来年4月入社の初任給を7万円アップ

shoninkyu

持ち帰り弁当店の「ほっかほっか亭」を展開するハークスレイは初任給を大幅に引き上げる。来年春入社の大学新卒で28万1190円で、今春入社に比べ約7万5000円増やす。雇用情勢が好転するなか、優秀な人材の獲得を狙う。
2015年4月の新卒採用予定数は25人で、14年4月入社に比べて15人増やす。給与は入社から一定期間過ぎると成果に応じて増減する。
既存の社員の平均給与も4月から段階的に引き上げる。15年度の社員の平均給与は年500万円と13年度に比べて30万円ほど増えるという。一連の給与見直しは経営陣が独自に決めた。(日本経済新聞 3月15日)

ずいぶん気前の良い手段にも見えるが、「給与は入社から一定期間過ぎると成果に応じて増減する」とあるから、初任給に惹かれて志望する諸君には覚悟が必要だ。この会社が求めているのは、給与のアップダウンにもまれながら伸びていける若者である。ダウンしたら、それこそ倍返しで成果を上げる性根を持った若者がほしいのだろう。アップダウンに磨耗してしまう神経の持ち主では、激流を突き進む外食や中食ビジネスに適さない。
もっとも今の学生は情報に長けているから、初任給に釣られてしまう愚を犯す学生はどれだけいるか。都内の私立大学に通う男子学生は、高初任給について「初任給があんまり高いと警戒しちゃいます。30歳になっても入社1年目とそんなに変わらないとか、実績が出なければ下げられるとか、何かあるんでしょう」といぶかしがる。
それにしても、今春闘の賃上げラッシュは何だろうか。安倍晋三首相が連合の会長に成り代わったかのように経済界に賃上げを要請したおかげで、多くの大企業正規社員に春が訪れた。だが企業のホンネは、アベノミクスへのリスク対策として内部留保を強化することかもしれない。政権追随・横並び型賃上げは、安倍政権の独走を加速させるだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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