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働き方法案、審議入り強行=安倍政権、今国会成立目指す

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残業時間の上限規制を盛り込んだ「働き方改革」関連法案が27日、衆院本会議で審議入りした。
安倍晋三首相が今国会の最重要法案と位置付けており、政府・与党は会期内成立を目指す。立憲民主党など野党6党は、森友・加計問題などをめぐり審議拒否を継続。与党の審議入り強行に激しく反発し、与野党対立が一段と深まった。
首相出席の衆院本会議で趣旨説明と質疑を行う「重要広範議案」の審議入りに主要野党が欠席したのは、2005年5月の郵政民営化関連6法以来。
首相は「過労死、過労自殺の悲劇を二度と繰り返さない強い決意で長時間労働の是正に取り組む。戦後の労働基準法制定以来70年ぶりの大改革であり、大きな前進と考えている」と訴えた。(時事通信 4月27日)

残業時間の上限設定に対しては、おもに経営者側からの反対意見がひんぱんに聞かれるが、働き方改革の最優先事項は健康管理である。上限設定は当然の措置だ。
上限設定を契機として、生産性向上や多様性などの必須事項を導入すればよい。かりに生産性向上や多様性を導入しても、残業時間が過労死水準の周辺にとどまっていたら本末転倒である。
どれだけ張り合いをもって働いていても、疲労が蓄積すれば健康を害してしまう。(繁忙期には過労死水準を超えて働くのもやむをえない)という考えは、過労死の容認に等しく、危険極まりない。
そんな危険な芽をあらかじめ摘み取っておくためにも、残業時間の上限設定を厳格に運用する体制を整備しないと。そうしないと、なし崩し的に長時間労働が横行し、元の木阿弥になってしまう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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