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前社長、契約社員に降格へ 三菱マテ子会社で不正黙認

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三菱マテリアルの子会社で、自動車向け金属製品の品質データを改ざんしていた「ダイヤメット」(新潟市)が、不正を隠蔽(いんぺい)した前社長の安竹睦実非常勤顧問(59)を、5月1日付で契約社員とすることがわかった。
安竹氏は不正の責任をとり2月に辞任。その後、ダイヤ社が顧客への対応を理由に4月1日付で顧問にしたが、不正を主導した幹部の処遇として問題視されていた。顧問就任から1カ月で異例の変更となる。
契約社員とする方針は6日に決定した。ダイヤ社は「新任役員への引き継ぎにめどが立ったため、契約社員とした。批判を受けての降格処分ではない」としている。安竹氏は元三菱マテ幹部。ダイヤ社の社長だった昨年5月にデータ改ざんの報告を受けたが黙認したため、その後も不正品の出荷が続いた。
(朝日新聞デジタル 4月10日)

取締役は株主から経営を委託されている立場であり、会社とは雇用関係にない。不正を隠ぺいした社長が引責辞任をしたのちに顧問に就任する人事も不可解だが、さらに契約社員として雇用関係を結ぶ意図は何だろうか。
社員ではないので懲罰人事は不要である。退任によって関係を断てばよいだけで、余人をもって代えがたいノウハウの持ち主なら、業務委託契約を結べばよい。当人も、取締役就任を引き受けたときに、雇用の保証は手放したはずである。いまさら契約社員ではプライドが許さないだろう。
だが、以上は記事からの憶測にすぎない。会社と当人との間には一般論の範ちゅうを超えた特殊な事情があるのだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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