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転職活動者の約8割採用サイトを見て「自分に合う会社か判断できなかった」

 Webサイト制作やデジタルマーケティングを手がけるジーピーオンライン(大阪府大阪市・東京都新宿区)が、全国の転職活動者300名を対象に実施した調査によると、採用サイトを見て応募意欲が下がる要因は「良いことばかりしか書かれていない(43.7%)」が最も多く、「仕事内容が具体的にわからない(42.0%)」とほぼ並んだ。
3位は「社員の声が少ない(33.0%)」。 一方、「サイトのデザインがダサい」は2.0%にとどまった。 
採用サイトを見て「自分に合う会社か判断できなかった」経験の有無には「よくある(33.7%)」「ときどきある(44.0%)」をあわせ、77.7%に達した。 「あまりない」「ない」はあわせて5.4%だった。
 企業の本音が伝わると、入社後のギャップは減ると思うかについては「とてもそう思う(36.7%)」「ややそう思う(46.3%)」をあわせ、83.0%が「減ると思う」と回答した。 年代別でも20代78.9%〜50代86.7%と、どの年代も8割前後で一貫している。
 採用サイトに掲載されていると応募判断に役立つネガティブ情報は「仕事の大変なところ(44.0%)」「入社後に感じやすいギャップ(41.0%)」「向いていない人の特徴(40.3%)」が上位を占めた。
(ジーピーオンライン作成ニュースリリースを要約 10月19日)

 採用サイトの「ダサさ」を嘆く声は、わずか2.0%にすぎない。人は装いの拙さには寛容で、言葉の嘘にだけ敏感である。今回の調査が告げているのは、そのことだろう。
 応募意欲を下げる最大の要因は「良いことばかりしか書かれていない」で43.7%。ほぼ並んで「仕事内容が具体的にわからない」が42.0%を占める。この2つは別々の不満に見えて、じつは同じ一点を指している。読み手は、そこに書かれていない部分にこそ会社の輪郭を探している。光だけで描かれた肖像画が、かえって人の顔に見えないのと同じである。
 77.7%が「自分に合う会社か判断できなかった」経験をもつという数字は重い。企業の差し出す情報が、判断の材料になるほど深く彫られていないことが問われている。さらに83.0%が「本音が伝われば入社後のギャップは減る」と答え、その割合が20代の78.9%から50代の86.7%まで世代を越えて揃っている点も見逃せない。誠実さへの渇きに、世代の溝はないのである。
 皮肉なのは、求められる情報の上位が「仕事の大変なところ(44.0%)」「入社後に感じやすいギャップ(41.0%)」「向いていない人の特徴(40.3%)」という、企業が最も伏せたがる情報であることだ。求職者は欠点を知りたいのではない。欠点を語る度量に、信頼の根拠を見ている。
 採用とは、選ぶ者と選ばれる者が、互いの影を見せ合う儀式であるはずだった。サイトの余白に漂う沈黙を、求職者はもう読み取っている。その沈黙の深さが、企業の誠実さの深さなのだと、数字は黙って示している。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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