2026/10/27

人材紹介業のJOB PALETTE(東京都港区)は、2026年10月度の経営レポートを公開した。提携人材紹介会社から受け付けた応募(シェアリング応募)のうち、履歴書・職務経歴書に不備があるものが全体の70%に達した。2025年の40%から大きく悪化しており、求職者・紹介会社の双方がAIで作成した書類を、人の目で確認しないまま選考に出していることが要因の一つと推測している。
JOB PALETTEもAIによる業務改革を進めてきたが、改めて明確になったのは、人材紹介事業の売上を最大化する手段は「母集団の形成」と「歩留まりの改善」の2点しかないことである。いずれも、AIだけでは改善し切れない領域である。
JOB PALETTEは、提携する人材紹介会社から求職者の応募を受け付けるシェアリングを行っている。工程は、応募の受理、企業への推薦、書類選考結果の回収、面接日程調整と続く。このうち応募受理の時点で、履歴書・職務経歴書に不備があるものが応募全体の70%に上ることが分かった。
不備の内容は、多い順に「履歴書と職務経歴書の職歴年月の乖離」「職務詳細の雇用形態・在籍期間が不明」「業務実態の詳細が記載されていない」だった。
(JOB PALETTE作成ニュースリリースを要約 10月16日)
JOB PALETTEの経営レポートによると、提携人材紹介会社から寄せられた応募のうち、履歴書・職務経歴書に不備があるものは70%に達した。2025年の40%から大幅に増えている。AIで書類を作成しても、人が確認しないまま提出すれば、職歴の年月が食い違い、雇用形態や在籍期間が曖昧になり、仕事の実態も伝わらない。
いくら書類の体裁を整える技術が進んでも、採用に必要な情報の質まで自動的に高まるわけではない。履歴書や職務経歴書は、経歴を美しく見せるためだけの文書ではない。企業が候補者の経験を理解し、本人が自らの仕事を振り返り、双方が採用の判断材料を共有するためのものだ。
AIは文章の整理や表現の改善には役立つ。しかし、記載された年月や雇用形態が事実と一致するか、業務内容が実態を表しているかを確かめる責任まで引き受けるわけではない。むしろ文章が自然で整っているほど、確認する側が誤りを見逃す危険もある。
一方、不備の増加を、求職者や紹介会社の注意不足だけに帰すのは十分ではない。書類作成が容易になったことで、提出そのものが目的化し、内容を吟味する工程が省かれていないか。採用の効率化を進めるなら、作成時間の短縮だけでなく、事実確認に時間を振り向ける設計が要る。
AIが文章を整える時代に人間に残される役割は、書かれた内容が事実に根ざし、相手の判断に耐えるものかを確かめることだ。採用の質を左右するのは、書類の完成度ではなく、記された情報への信頼である。書類の読み方がこれまで以上に問われている。
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