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医療・福祉業の“定着率の低さ”が42.4%で全業種最多

パーソルグループのミイダス(東京都品川区)は、全国の20歳~65歳の就業者男女1033名を対象に、「組織状態および従業員の定着・はたらきがいに関する調査」を実施した。
 調査では、医療・福祉では、「定着率が低い」と回答した割合が42.4%となり、全業種の中で最も高い結果となった。全体の30.8%と比較しても11.6ポイント高く、今回着目した3業界の中でも、定着に対する課題感が特に高いことが分かった。
一方、勤務先において「従業員の活躍・定着」が経営課題として「非常に重視されている」「やや重視されている」と回答した割合は33.8%で、全体の27.3%を6.5ポイント上回った。この結果から、医療・福祉では人材の定着に対する課題感が全体と比較して高く、従業員の活躍・定着を重要なテーマとして捉えている企業も比較的多いことがうかがえる。
人材不足への対応を考える際には、採用数や定着率などの「結果」だけでなく、現在働いている従業員の働きがいや、組織状態にも目を向けることが重要です。こうした状態を定期的に可視化し、職場環境やマネジメントの改善につなげていくことが、人材の定着・活躍に向けた取り組みの一つになると考えられる。
(ミイダス作成ニュースリリースを要約 10月14日)

ミイダスが全国の20~65歳の就業者男女1033人を対象に実施した調査では、医療・福祉で「定着率が低い」と答えた割合は42.4%に達した。全業種平均の30.8%を11.6ポイント上回る。一方、従業員の活躍・定着を経営課題として重視するとの回答も33.8%あり、全体の27.3%を上回った。
問題を重要だと認識する組織が多くても、定着の難しさは解消されていない。問われるのは、課題の認識が、職場を変える行動に結びついているかどうかだ。
医療・福祉では、相手の状態に応じた判断や細やかな対応が求められる。人手が足りなければ、残る職員の負担が増し、同僚と相談したり、仕事を振り返ったりする余裕も失われる。負担が偏ったまま改善されなければ、働く手応えは薄れ、離職につながりやすい。退職者が出れば、さらに残る職員の負担が増す。
こうして、人手不足が職場環境を悪化させ、その環境が次の離職を招く循環が生まれる。
定着を経営課題に掲げるだけでは、この循環は断ち切れない。職員の声を聞いても、業務の分担や人員配置、管理職の関わり方が変わらなければ、現場の実感は変わらない。必要なのは、定着率という結果だけでなく、働く人が何に疲れ、何に意義を感じ、どこに改善を求めているのかを確かめ、職場の仕組みに反映することだ。
人が辞める理由を本人の忍耐や適性に帰す前に、働き続けることを難しくしている要因を問いたい。人材の定着は、引き留める技術ではなく、働く人を支える職場をつくる力にかかっている。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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