2026/10/19

4月に外国人の在留資格「特定技能1号」の外食分野での新規受け入れが停止されてから、半年となる。
民間調査によると、外食業では停止後に特定技能の資格を持つ国内在留の外国人の求人数が2.8倍に増加するなど、獲得競争が激化。特に地方から都市部への転職が急増しており、地方での人手不足に拍車が掛かっている。
外国人材の就労支援を手掛けるマイナビグローバル(東京)によると、7月中に内定した外食業の特定技能を持つ外国人のうち、東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、愛知の6都府県にそれ以外の地域から転職・就職した人の割合は46.4%に上った。新規受け入れ停止前の3月は31.9%で、地方から都市部への人材移動が浮き彫りになったという。
同社の杠元樹社長は調査結果について、より高い賃金を求めて都市部に転職する人は多いと分析。一方で「今の職場では特定技能2号(取得)の機会がないと思って転職する人が結構いる」とも指摘した。
7月に地方のすし料理店から東京の飲食店への転職が内定したミャンマー出身の男性も取材に対し、転職理由を「料理が作りたいから」と説明した。以前は主にホールでの配膳を行っていたが、新たな職場ではキッチン業務にも携われ、月給も1万~2万円程度上がるという。
(時事通信 10月8日)
特定技能1号の外食分野で新規受け入れが停止されて以降、国内在留の外国人材をめぐる獲得競争が激しくなった。この記事によると、7月に内定した特定技能外国人のうち、地方から東京など6都府県へ移った人の割合は46.4%。3月の31.9%から大きく上昇している。新たな人材を海外から迎えられない状況が、国内にいる人材の奪い合いを加速させた。
しかし、移動の理由を賃金差だけに求めると、問題の核心を見誤る。地方のすし店から東京の飲食店へ移るミャンマー出身の男性は、「料理が作りたい」と話した。以前は主にホールで配膳を担当していたが、新しい職場ではキッチン業務にも携われ、月給も上がるという。彼が選んだのは、賃金だけでなく、自分の仕事の可能性を広げられる職場だった。
さらに、特定技能2号の取得機会がないと感じて転職する人もいる。日々の仕事が技能の蓄積や将来の資格につながらなければ、働き続ける理由は弱くなる。企業が人材を確保するには、給与を上げるだけでなく、何を経験でき、どこまで成長できるのかを示す必要がある。
一方、外国人労働者向け定着支援アプリを提供するKUROFUNEの調査では、退職理由の21.3%を職場の人間関係やハラスメントが占め、38.3%が勤務先に相談しないまま離職していた。相談しても改善しないという諦めが、その背景にある。
外国人材を労働力の補充として数えるだけでは、地域の人手不足は解消しない。働く人が技術を磨き、希望する仕事に近づき、困ったときには声を届けられる。そうした職場をつくれるかどうかが、人材を引き留める力を左右する。人が定着するのは、そこに働き続ける未来を見いだせるときである。
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