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転職活動 理想の選考は「期間1ヵ月未満・面接2回以下」

人材紹介業のワークポート(東京都品川区、福岡県福岡市博多区)は、全国の転職希望者520人(20代~40代・男女)を対象に、転職活動における「理想の選考プロセス」について、アンケート調査を実施した。
対象者全員に応募から内定までの「理想的な選考期間」を聞いたところ、「2週間以上~1ヵ月未満」が38.7%で最も多く、「1週間以上~2週間未満」(19.2%)、「1週間未満」(6.7%)も合わせると、全体の64.6%が「1ヵ月未満」の選考を望む結果となった。
一方、「選考スピードの遅さが原因で、選考辞退・志望度低下をした経験」があるか聞いたところ、40.8%が「ある」と回答。スピード感のない選考は、実際に求職者の離脱につながっていることが明らかとなった。求職者からは「第1志望の合否連絡が遅く、第2志望が先に合格して入社を決めたが、第1志望も合格していた」(40代・女性・事務)といった経験談も寄せられ、企業が結果通知の遅れで採用機会を逃している実態が浮き彫りとなった。
「印象や志望度がアップする企業の選考・対応」について聞いたところ(複数回答可)、1位は「連絡が早い」(65.8%)、2位は「選考理由など具体的なフィードバックをくれる」(62.5%)、3位は「日程調整がスムーズ」(58.8%)と続いた。
(ワークサポート作成ニュースリリースを要約 9月29日)

転職希望者520人を対象にしたワークポートの調査では、64.6%が応募から内定まで「1カ月未満」を理想と答え、40.8%は選考の遅さによって辞退や志望度低下を経験していた。採用のスピードが、候補者の印象だけでなく、実際の採用結果を左右している。
経営の視点から見ると、選考の遅さによる損失はもっと大きい。第1志望の企業からの連絡を待つ間に、第2志望の企業への入社を決めたという事例が示すのは、採用競争から一人の候補者を失うだけではない。その人を採用することで得られたはずの仕事の成果、組織への貢献、周囲への波及効果まで失う可能性がある。しかも、その損失は決算書に「採用機会損失」として表れない。
さらに、採用が遅れれば、現場の欠員が長引き、既存社員の負担が増える。採用難を理由に求人を出している企業ほど、選考の遅さが事業運営の遅れに直結することもある。採用は人事部門だけの問題ではなく、事業を前に進めるための経営判断なのである。
一方、「連絡が早い」65.8%に加え、「選考理由など具体的なフィードバック」が62.5%だったことも重要だ。候補者は速さだけでなく、自分がどう評価されたのかを知ろうとしている。速く決めるだけでは、良い採用にはならない。必要な情報を集め、判断し、その理由を伝えるまでの一連の意思決定が重視されている。
採用における時間は、たんなる事務処理の時間ではない。候補者が別の会社を選ぶまでの時間であり、企業が人材を得て事業を動かすまでの時間でもある。選考を遅らせることは、採用部門だけが時間を失うのではない。会社全体が、事業機会を失っている可能性がある。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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