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採用担当者の82.3%が、採用ミスマッチを経験——背景は「最初の5分」

採用支援サービス「エースジョブ」を提供するフォワード(東京都新宿区)は、全国の採用活動に携わる会社員・経営者300名を対象に実施した「採用担当者の視点についての実態調査 2026」の結果をもとに、調査レポート「書類選考・スカウトの『最初の5分』に潜む採用ミスマッチ――採用担当者300名調査から見えた、候補者視点の見落とし」を公開した。
 調査では、採用担当者の67.0%が候補者1人のレジュメを5分未満で判断していることが判明。また、76.7%が、候補者について「漏れなく確認できる項目は8個以下」と回答した。書類選考やダイレクトスカウトという採用の「入口」は、多くの担当者にとって「数分」「数項目」という短時間・少ない情報量の中で判断せざるを得ない構造になっている。
書類選考やスカウトの判断で、「自社の要件に合うか」と「候補者にとって自社に来るメリットがあるか」では、68.0%(204件)が候補者側の視点を自社の要件と同等以上に重視していた。
一方、実際に採用ミスマッチを経験した担当者は「見落とされていた視点」について、最も多かったのは「候補者の価値観・仕事観」44.9%、「候補者のキャリアビジョンとの不整合」42.1%となった。
(フォワード作成ニュースリリースを要約 9月24日)

採用の入口では、候補者を理解する時間があまりにも短い。採用担当者の67.0%が1人のレジュメを5分未満で判断し、76.7%は確認できる項目が8個以下と答えている。これだけの情報で人を見極めようとすれば、能力や経験のように書類に表れやすいものが前面に出て、本人が仕事に何を求めているのかは後景に退きやすい。
興味深いのは、採用担当者の68.0%が「自社の要件に合うか」だけでなく、「候補者にとって自社に来るメリットがあるか」という視点を同等以上に重視していることだ。採用を企業側からの選別だけでなく、双方が選び合う行為として捉えている。それでも実際のミスマッチでは、「価値観・仕事観」が44.9%、「キャリアビジョンとの不整合」が42.1%と上位を占めた。
ここに、採用の難しさがある。担当者が候補者視点を意識していても、短時間の書類選考では、その人が何を大切にして働くのかまで読み取るのは難しい。しかも企業側の要件は職種や経験年数など比較しやすい形にできるが、価値観や将来像は数字にしにくい。短時間で判断しなければならない採用の仕組みが、人間を理解するには向いていないのである。
採用とは、限られた情報から人間を当てるゲームではない。互いに分からない部分を残したまま出会い、その後の対話によって理解を深めていく営みでもある。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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