2026/10/01

損害保険ジャパンが会社都合による全国転勤を前提とした人事制度を見直し、社員の望まない転勤を廃止することが20日、分かった。引っ越しを伴う転勤が可能かどうかを毎年選べるようにする。一方で、転勤に伴う手当は増額する。働き方の多様化が進む中、優秀な人材の確保につなげる。社員の家庭の事情に配慮し、働く意欲を一層引き出す狙いもある。
同様の動きは大手企業で広がる。東京海上日動火災保険は2026年度に社員の同意のない転勤を取りやめたほか、第一生命保険も営業職を除く内勤社員を対象に27年度に廃止する。NTTグループは転勤や単身赴任を減らすため、22年にリモートワークを基本とする制度を導入した。
(共同通信 9月20日)
引っ越しを伴う転勤が可能かどうかを社員が毎年選べるようにし、望まない転勤をなくす。ここで変わるのは勤務地の決め方だけではない。これまで企業側が当然のように握っていた「社員の生活をどこまで仕事に合わせてもらうか」という決定権が、少し社員側へ移ることになる。
転勤は企業にとって人、員配置の柔軟性を確保する仕組みだった。社員にとっても、転勤によって経験の幅を広げたり、新たな仕事に出会ったりする機会があった。しかし、その一方で、転勤は本人だけの問題ではない。子どもの学校、家族の仕事、親の介護など、本人の意思だけでは動かせない生活の事情を伴う。
だから毎年、転勤の可否を選べる仕組みには意味がある。転勤を拒む自由を与えるというより、仕事と生活の組み合わせを自分で決める余地を制度として認めるからだ。一方、転勤にともなう手当の増額も重要である。必要な転勤まで否定するのではなく、負担を引き受ける人には、それに見合う条件を示すという考え方だからだ。
東京海上日動や第一生命、NTTグループにも同様の動きが広がっている動きは、転勤という制度の消滅ではなく、「転勤できること」を社員の忠誠心や能力の証しとして扱う人事からの転換と見ることができる。
働く場所を選べるようになったとき、問われるのは社員の自由だけではない。会社もまた、勤務地ではなく仕事の内容によって人を惹きつけ、力を発揮してもらう仕組みをつくらなければならない。転勤をめぐる変化は、企業と社員の関係を静かに組み替え始めている。
ヘッドハンティング会社から電話があったときに確認す...
3大メガ時代でどうなる損害保険業界?損保業界研究レ...
日立 東芝 三菱重工業から見る日本の重電業界...
人材紹介業の動向、大手・中小人材紹介会社の今後とは...Talk Geniusとは-
ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。