2026/09/30

総務専門誌『月刊総務』を発行する月刊総務(東京都千代田区)は、全国の総務担当者を対象に「リファラル採用に関する調査」を実施し、105名から回答を得た。
リファラル採用への取り組み状況は「採用方法の主軸として積極的に取り組んでいる」が7.6%、「採用方法の一部として取り組んでいる」が47.6%、合わせて5割超が現在取り組んでいると回答した。目的は「自社に合う人材の採用」が82.8%で最も多く、「入社後の定着率向上」が62.1%、「採用コストの抑制」が50.0%と続いた。
また7割以上が紹介者へのインセンティブを設定、金額は10万円以上が半数だった。
リファラル採用を成功させるために、会社として必要だと思うことは「社員が『知人に紹介したい』と思える組織風土があること」が69.5%で最も多く、「社員が自社の魅力や特徴を理解していること」が60.0%、「社員が自社の課題や大変さも含めて説明できること」と「紹介してほしい職種・人物像が明確になっていること」がそれぞれ46.7%と続いた。
リファラル採用の成果として重視していること、は「入社後の定着率」が50.0%で最も多く、「入社後の活躍・評価」が32.8%、「候補者との相互理解の深さ」と「現場とのマッチ度」がそれぞれ31.0%だったが、効果測定を行っている企業は2割にとどまった。
(月刊総務作成ニュースリリースを要約 9月10日)
今回の調査で目を引くのは、リファラル採用が「社員の人脈を採用に利用する手法」から、社員自身が会社をどう見ているかを映す仕組みに変わりつつあることだ。取り組む企業は5割を超え、その目的の82.8%が「自社に合う人材の採用」。だが、成功に必要なものとして69.5%が挙げたのは、紹介制度でも報酬でもなく、「知人に紹介したい」と思える組織風土だった。
ここには採用の少し皮肉な現実がある。紹介者へのインセンティブを設定する企業は7割を超え、金額は10万円以上が半数を占める。会社は紹介を促すために報酬を用意できる。しかし、社員が自分の名前を添えて誰かを誘うとき、報酬だけでは語れないものがある。
自分が働く場所を、友人や知人に勧めても恥ずかしくないと思えるか。会社の魅力だけでなく、「課題や大変さも含めて説明できる」ことが46.7%で挙がったのも重要だろう。良いところだけを語る広告より、弱さまで含めて話せる会社のほうが、むしろ信頼を生む。
一方、成果として定着率や入社後の活躍、相互理解を重視しながら、効果測定をしている企業は2割にすぎない。紹介で人を集めることと、紹介された人が組織で生きていくことは別の問題である。
リファラル採用は、採用担当者だけの施策ではない。社員が会社の「広告塔」になる制度だからこそ、採用の前に問われているのは、社員自身がこの会社を誰かに薦められると思える職場をつくれているか、という組織の実力である。
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