2026/09/18

エンは『ミドルの転職』を通じて転職した35歳~59歳の転職者数と、転職前後の賃金変動についてまとめた。2025年のミドル世代の転職者数は、2018年比で約2.5倍に増加し、なかでも50代は約5.8倍となっており、ミドル世代の転職は一部の限られた人だけではなくなりつつある。
転職後の年収は、全体の48%が転職前より増加。40代では53%と半数を超え、50代でも42%が年収アップを実現している。こうした変化の背景には、若手人材の不足だけでなく、企業側の人材に対する見方の変化があると考えている。
AI活用やDX、事業変革など、企業が向き合う課題は複雑化している。採用でも年齢や過去の肩書きだけではなく、「何を経験してきたのか」「その経験を別の環境でも再現できるのか」「周囲を巻き込みながら事業や組織を前に進められるのか」など、より実質的な能力を見る企業が増えている。
一方で、ミドル世代であれば誰にでも同じように機会が広がっているわけではない。経験が豊富であることと、その経験が現在の市場で価値を持つことは別である。成功体験に固執せず、AIをはじめ新しい技術や考え方を取り入れながら、みずからの経験や能力をアップデートし続けられるか。今後は、こうした姿勢によってミドル人材の市場価値がより大きく分かれていくと考えている。
(エン作成ニュースリリースを要約 9月7日)
35歳~59歳のミドル世代の転職者数が2018年比で約2.5倍、50代では約5.8倍に増えた。転職後に年収が増えた人も全体の48%、40代では53%、50代でも42%に達する。この数字から見えてくるのは、たんなる中高年の転職市場の拡大ではない。人間の価値を、年齢や肩書きだけでは測れなくなった社会の変化である。
会社の中で積み重ねてきた経験には、その人の時間が刻まれている。失敗も、成功も、人との出会いも、仕事の癖さえも、その人にしか持てない財産になる。しかし、経験は古びない代わりに、自動的に価値を保つわけでもない。
時代が変われば、かつて正しかった方法が通用しなくなることもあるが、経験が豊富であるほど、その経験への自負は、ともすれば新しい学習を妨げがちだ。だからこそ、新しい環境で経験の意味を問い直すことが必要になる。
AIやDXによって仕事の前提が変わる時代には、「何をしてきたか」だけでなく、「それをいま何に生かせるか」が問われる。50代の転職者が約5.8倍になったことは、年齢による一律の評価が崩れつつある証左だろう。一方で、それは年齢を理由に守られなくなることでもある。
会社員は過去の蓄積だけでは生きられないが、過去を捨てて新しくなる必要もない。大切なのは、これまでの経験を新しい現実の中で読み替え、自分の仕事としてもう一度捉え直すことだろう。ミドルの転職市場で問われているのは、長い時間を生きてきた人が、その時間を未来の価値へ変えられるかどうかである。
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