2026/09/16

アデコ(東京都千代田区)は、全国の一般社員と管理職の会社員1400人(一般社員800人、管理職600人)を対象に、管理職という仕事についての意識調査を実施した。
一般社員の約8割が、管理職という仕事に対して「ネガティブなイメージがある」と回答。7割以上が「管理職は損」だと考えていた。さらに一般社員の約8割が、「将来管理職になりたくない」と回答したが、その理由として最も多く挙げられたのは「ストレスが多そう」だった。
管理職になっても良いと思うための条件は、「給与・賞与の大幅な増額」、「労働時間の適切な管理と削減」、「役職に応じたインセンティブの付与」だった。
一方、管理職は5割以上が「管理職という仕事にやりがいを感じていない」と回答し、約6割が「管理職は損」だと回答した。
調査結果を踏まえて、アデコの鶴見順子執行役員 Country Head of HR, Japan 兼 ピープルバリュー本部長の鶴見順子は、次のようにコメントする。
「管理職が本来担うべきマネジメント業務に集中できる環境を整えることが必要だ。権限委譲や業務の標準化による負担軽減に加え、チームの成果だけでなく、人財育成やエンゲージメント向上といったマネジメント活動を適切に評価する仕組みを整備することが求められる」。
(アデコ作成ニュースリリースを要約 9月2日)
「管理職は損」と考える一般社員が7割を超え、管理職自身も約6割がそう答えている。この数字で考えるべきなのは、若い社員の管理職離れではない。管理職になりたくない人と、なってみたものの報われない人が、同じところで立ち止まっていることである。
一般社員が管理職を敬遠する最大の理由は「ストレスが多そう」。一方、管理職の5割以上が仕事にやりがいを感じていない。ここには、管理職という仕事が「責任は増えるが、仕事の意味や裁量、報酬がそれに見合わない」という構造が透けて見える。
本来、管理職は人を管理するための役職ではない。組織の力を引き出し、個々の社員が能力を発揮できる条件をつくる仕事である。ところが、会議、報告、調整、評価などに時間を奪われれば、本来のマネジメントに使える時間がなくなる。
その結果、管理職自身が疲弊し、それを見た一般社員が「自分もあの仕事には就きたくない」と考える。これは個人の意識の問題ではなく、次の管理職を育てられない組織の問題である。
給与・賞与の増額や労働時間の削減は必要だが、それだけでは十分ではない。管理職が「何に責任を持ち、何を自分の判断で変えられるのか」を明確にすることが重要だろう。管理職をめざすことが出世ではなく、組織を動かし、人を育て、自分自身も成長できる仕事だと思えるか。管理職の魅力を取り戻すとは、役職を優遇することではなく、マネジメントという仕事の価値を組織の中で取り戻すことである。
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