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「65歳で引退」はもう古い? ミドルシニアの「働きたい年齢」平均62歳に

マイナビは、20~50代の正社員を対象に「ミドルシニアの働く意識に関する実態調査」を実施した。その結果、「何歳まで働きたいか」という質問への回答は、平均62.0歳だったことが分かった。
調査を開始した2023年(平均60.2歳)と比較すると1.8歳上昇。調査開始以来はじめて、すべての年代で「60歳を超えても働きたい」という結果となり、年代を問わず、働き続けたい年齢が高くなっていることが分かった。  
ミドルシニア(40~50代)正社員の働きたい年齢の内訳を見ると、「65歳まで働きたい」が36.8%で最も高く、「65歳以降も働き続けたい」(30.1%)が続いた。65歳まで、あるいはそれ以降も働くことを希望する層が全体の約7割を占めており、長期的な就労意欲の高さがうかがえる。  
「職場で良い仕事をしたと認められたり、称賛されたりすることがある」と答えたミドルシニアほど、「65歳以降も働き続けたい」と考える割合が高かった。希望する就労年齢が高い人ほど、職場で仕事ぶりを認められたり、称賛されたりしている傾向がみられた。
 65歳以降も就労を望むミドルシニアの正社員に、65歳以降の理想の働き方について、「非正規社員として働きたい」か「正規社員として働きたい」かを聞いた。全体の78.3%が「正規社員として働きたい」と回答し、役職の有無にかかわらず、高い傾向がみられた。
(ITmedia ビジネスオンライン 9月1日)

「何歳まで働きたいか」の平均が62.0歳となり、2023年の60.2歳から1.8歳延びた。65歳まで、あるいは65歳以降も働きたい人が約7割を占め、さらに65歳以降も正社員で働きたい人が78.3%に達する。この数字を「高齢者の就労意欲が高まった」とだけ読むのは、少し違うのではないのか。
興味深いのは、長く働きたい人ほど、職場で自分の仕事を認められ、称賛された経験を持っていることである。つまり、人は生活のためだけに働きつづけたいのではない。自分が役に立っているという実感が、働き続ける意思を支えている。ここに、この調査の重要な示唆がある。
企業はこれまで、60歳、65歳といった年齢を境に、処遇や役割を組み替えてきた。しかし、働く側の意識が変われば、年齢を区切りにする人事そのものを問い直す必要が出てくる。とくに78.3%が正社員を希望していることは、「定年後は補助的な仕事」という企業側の想定と、本人の意思との間にずれが生じる可能性を示している。
もちろん、すべての人を一律に65歳以降も正社員として雇用すればよいわけではない。重要なのは、年齢ではなく、その人がどのような能力を持ち、どんな仕事で価値を生み出せるかを見ることだろう。
そう考えると、企業が問われているのは「何歳まで雇うか」ではない。何歳になっても、本人が自分の仕事に意味を感じ、周囲から価値を認められる仕事を用意できるかである。62.0歳という数字は、高齢者雇用の問題というより、仕事と人との関係をどう再設計するかという、企業への問いである。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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