2026/09/03

自社の管理職(課長相当職以上)に占める女性の割合を尋ねたところ、女性管理職の平均割合は11.3%で、前年の11.1%から0.2ポイント上昇した。過去最高を更新したものの小幅な上昇にとどまった。
割合別に前年と比較すると、「30%以上」は前年比0.1ポイント減の11.8%、「20%以上30%未満」は同0.7ポイント増の7.1%、「10%以上20%未満」は同0.4ポイント減の9.5%だった。女性管理職が2割台の企業は増加したものの、「30%以上」の企業はわずかに減少しており、女性管理職の登用が高い水準まで進む企業の広がりには、足踏みもみられる。
とりわけ課題として残るのが、女性管理職が一人もいない企業の多さである。「0%(全員男性)」は前年から0.2ポイント低下したものの、42.1%と最も高く、依然として4割を超えている。
(中略)
女性役員の平均割合は14.2%となり、2025年の13.8%から0.4ポイント上昇し、過去最高となった。企業からは、「女性の役員就任に向けて動いている」(農・林・水産)や、「女性の職域を事務職から総合職や営業職へ広げ、役職者への登用も進めている」(鉄鋼・非鉄・鉱業製品卸売)など、具体的に進める声が聞かれた。女性役員がいない企業の割合が緩やかに低下するとともに、女性役員への登用・昇格を進めている企業では、その割合が徐々に高まっている様子がうかがえる。
(帝国データバンク 8月21日)
女性管理職の平均割合が11.3%、女性役員が14.2%となり、いずれも過去最高を更新した。数字だけなら着実な前進である。しかし、女性管理職が0%の企業が42.1%あるという事実を、単純に「登用が遅れている企業が多い」と読むだけでは、問題の核心には届かない。
とりわけ中小企業では、管理職や役員の候補となる女性の絶対数が少ない場合がある。女性社員の採用が少なかった企業では、10年、20年かけて形成される管理職候補の母集団も小さくなる。さらに、女性が長く働き、責任ある仕事を経験し、管理職を志望するまでの過程を考えれば、現在の登用率だけを企業の姿勢として評価するのは酷な場合もある。
着目すべき点は、管理職になった女性の割合だけではない。管理職候補となり得る女性が、どれだけ社内に育っているのか。その候補者が、どのような仕事を経験し、どの段階で昇進からこぼれているのかまで見なければならない。
女性登用は、役員の椅子を用意して終わる問題ではない。採用、配置、育成、評価、昇進という長い時間の積み重ねの先に、初めて候補者が現われる。企業に求められるのは、女性を急いで登用することだけではなく、次の世代の候補者が生まれつづける人事の土壌をつくることである。
11.3%という平均値を上げる競争だけでは、女性活躍は一部の企業の成果にとどまる。問うべきなのは、「今、何人いるか」だけではなく、「10年後に何人が候補者になれるのか」である。女性登用を人事の結果ではなく、人材形成の時間として捉え直すことが、数字の先にある本当の改革である。
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