2026/08/18

厚生労働省が5日発表した働き手1人あたりの6月の実質賃金は、前年同月より1.6%増え、6カ月連続のプラスとなった。賃金の増加に加え、物価上昇は続いているものの、伸び率が鈍化しているためだ。
毎月勤労統計調査(速報)によると、名目賃金にあたる「現金給与総額」は前年同月比3.4%増の53万1677円だった。5カ月連続で3%以上の伸び率となるのは約34年ぶり。所定内給与は3.4%増の27万9189円で、6カ月連続で3%以上となった。夏の賞与などは3.5%増の23万2445円だった。
春闘による賃上げで給与が伸びているとみられ、フルタイムで働く一般労働者でみると、現金給与総額は3.6%増の71万5604円。所定内給与も3.6%増の35万5475円だった。
実質賃金の計算に使う6月の消費者物価指数(持ち家の家賃換算分を除く総合)の上昇率は1.9%で、前年同月より1.9ポイント下がった。
(朝日新聞 8月5日)
厚生労働省の統計は、いわば数字の戯れがもたらす一時の安寧に過ぎない。実質賃金が6カ月連続でプラスを記録し、名目賃金も34年ぶりの高い伸びを見せているというが、その背後にある構造的な停滞を見過ごしてはならない。
この現象の真因は、春闘という限定的な枠内での調整と、一過性の物価上昇率の鈍化という2点であるる。現金給与総額が3.4%の増加を示したところで、それが実態経済の底上げを意味するわけではない。3.4%という数字は、どれほど市場の付加価値創出能力を底上げしたのだろうか。
物価指数が1.9%まで押し下がったのは、たんに輸入コストの押し上げ要因が一時的に減退したというマクロ環境の偶然に過ぎず、国内需要の拡大を伴うインフレとは対極にある。
重要なのは、この賃金上昇が持続的な生産性向上に裏打ちされているかという点だ。統計上の「伸び」に酔う間に、日本企業が抱える低付加価値という慢性病は深刻化している。実数としての給与支給額は、国際的な尺度で見れば依然として停滞圏にある。
数字を追うだけの政策は、構造改革の遅延を糊塗する手段に他ならず、市場の変革を促す警鐘を無効にしてしまう。対峙すべきは、数字が語る過去ではなく、数字の陰に隠れた「構造的な変革の遅れ」がもたらす未来図である。
ヘッドハンティング会社から電話があったときに確認す...
3大メガ時代でどうなる損害保険業界?損保業界研究レ...
日立 東芝 三菱重工業から見る日本の重電業界...
人材紹介業の動向、大手・中小人材紹介会社の今後とは...Talk Geniusとは-
ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。