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夏賞与初の100万円超 経団連集計、5年連続増

経団連が2日発表した大手企業の今年夏の賞与・一時金(ボーナス)に関する第1回集計によると、組合員の平均妥結額が100万8706円だった。昨年夏に比べ1.88%増え、現行の集計方式を始めた1981年以降で100万円の大台を初めて超えた。好業績の企業が目立ち、増加は5年連続だった。
 2026年春闘で定期昇給やベースアップ(ベア)を含む大手企業の月給の賃上げ率が平均5%を超える高水準となったことで従業員への還元が進んだ。  
調査は従業員500人以上の23業種248社が対象で、最終集計は8月上旬に公表する予定。
(共同通信 7月2日)

経団連の集計が示す100万8706円という数字は、たしかに眩しい。前年比1.88%増、5年連続の増加、そして1981年の集計開始以来はじめて100万円の大台を超えたという事実は、統計としては光沢を帯びている。だが数字の光沢の奥に潜む陰影を見ないわけにはいかない。
調査対象はわずか248社、従業員500人以上の大手に限られる。春闘で賃上げ率が5%を超えたという成果も、同じ大企業群の内輪で完結した出来事にすぎない。日本経済という広大な裾野のうち、陽の当たるのは頂上のごく一部である。
中小企業に働く者、非正規の身分にある者にとって、100万円という数字は遠い異国からの便りのように響くだろう。景気の実感とは、頂点の高さではなく、裾野の広がりによって測られるべきものだ。
利益が賞与という形で従業員に還元されること自体は、むろん健全な循環である。しかし分配の温もりが社会の隅々にまで届かない限り、統計上の高水準はやがて空疎な祝祭に堕す。8月の最終集計を待つまでもなく、問うべきは大手企業の景気の良い数字だけはなく、その光がどこまで届いているかである。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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