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日産国内5工場で早期退職 事務職、リストラ策一環

日産自動車が、国内の5工場で働く事務系の職員を対象に早期退職者を募集する方針を固めたことが24日分かった。9月に実施する。世界で2027年度までに2万人を削減するリストラ策の一環で、昨年に続く募集となる。募集規模は不明。日産関係者によると、一定の年齢以上で条件に合うのは1800人程度とみられる。  
5工場は、いわき工場(福島県いわき市)と栃木工場(栃木県上三川町)、横浜工場(横浜市)、追浜工場(神奈川県横須賀市)、子会社の日産自動車九州(福岡県苅田町)。生産現場の従業員は対象外となる。   
日産は昨年、国内では07年以来18年ぶりに事務系の社員を対象に早期退職を募った。
(共同通信 6月24日)

2025年3月期決算で純損失6709億円という奈落に落ちた日産自動車が、国内5工場の事務系職員約1800人を対象に9月の早期退職募集を決めた。昨年に続く2度目である。
グローバル販売台数は前年比2.8%減の334万台、市場占有率は3.8%へと低下した。国内だけを見ても、約120万台の生産能力に対して、24年度の実際の生産台数は約64万台に過ぎない。巨大な空洞を抱えたまま走り続けてきた帰結である。
だが、ここに看過できない二重構造がある。従業員にはリストラという欧米型の論理を容赦なく適用しながら、役員には別の論理が働く。25年3月期、純損失6708億円という赤字のなかで、日産の役員報酬総額は29億3400万円。黒字を維持したホンダ(17億8000万円)を大きく上回った。さらに経営再建中にもかかわらず、退任した内田誠前社長ら執行役4人に計6億4600万円の退任報酬が支払われた。
欧米型経営の核心は、失敗した経営者が高報酬を持ち去らない規律にある。日産はその外装だけを纏い、内実は「失敗しても報酬は守られる」という温情主義と結びついた歪な混成物と化している。
株主総会で株価下落時に報酬を自動削減する提案が出されたが、取締役会はこれを否決した。従業員には欧米型の論理を適用し、役員には日本型の温存論理が働く——この二重構造が、日産という企業のあり方の核心にある。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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