2026/05/13

政府は4月から、国家公務員を中途退職した人を再び採用するための簡易な制度を始めた。中央省庁は過酷な勤務から「ブラック霞が関」とやゆされ、若手職員の離職が増加傾向にある。復職を希望する人の負担を軽くして歓迎する姿勢を示し、即戦力の「カムバック」を誘導する狙いだ。
制度は英語で「卒業生」を意味する言葉から取った「アルムナイ採用」。中途採用は「経歴評定」「論文」「面接」など複数の試験が必須となるのが一般的だったが、退職前と同じ省庁への復帰を希望する場合、面接のみでの採用を可能とした。
別の省庁への就職希望者も、論文試験は不要とする。国会対応など国家公務員特有の業務を理解した上で、外部での経験も生かせる貴重な人材と評価できると判断した。
総合職試験採用者で10年未満の退職は2024年度で174人に上り、13年度の76人から2倍超となった。民間企業との人材獲得競争も激化し、採用試験の申込者数は減少傾向となっている。
(共同通信 4月30日)
会社員と同じように公務員も、組織を離れる様は川の流れのようで、押しとどめることも、遡らせることもできない。だが、いま政府はその流れに向かって手を差し伸べ、「戻ってほしい」と呼びかけた。アルムナイ採用という名の制度である。
数字は雄弁だ。総合職の10年未満退職者は2024年度に174人に達し、13年度の76人から実に2.3倍に膨らんだ。採用試験の申込者数も減少が続く。労働市場の流動化という構造変化だけでは説明しきれない。「ブラック霞が関」という烙印が示すとおり、長時間労働や国会対応の過重さが若い知性を確実に消耗させてきた現実がある。
今回の制度は、同一省庁への復帰なら面接のみ、別省庁でも論文試験を免除するという、官僚機構には珍しい柔軟さを持つ。外部経験を「貴重な人材」と認めた点も従来の論理とは異質だ。民間との往還を前提とした人材観へのひそかな転換を、この一文は示唆している。
しかし即戦力の「カムバック」を歓迎する前に、そもそも誰が、なぜ去ったのかという問いが先にあるはずだ。出口を広げることは誠実さの証しだろう。だが入口の魅力を回復しなければ、制度はたんなる補修にとどまる。組織の自己変革なくして、人は戻らない。アルムナイとは卒業生の意だ。卒業させてしまった理由を、深く問い直す時が来ている。
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