2026/04/30

パーソナルジム「STREAM」を運営するRIPPLE(東京都町田市)は、2026年4月に3日間、新入社員21名を含む全従業員75名を対象に沖縄社員旅行およびキックオフを実施した。総投資額約800万円は全額会社負担、スケジュールは最低限の全体行事以外すべて自由行動だった。
当社の離職率は3%、最年少店長は22歳で年収670万円。Z世代の約3人に1人が社員旅行に「本音では参加したくない」と答える時代に、なぜこの社員旅行は歓迎され、800万円という投資が組織の力に変わるのか。その答えは「ゆるさ」という設計思想と業界では異例の情報開示にある。
社員旅行は福利厚生ではなく未来への投資である。目的は5つ。①感謝の具現化=努力が体験として報われることを体感②壁の撤廃:=舗や役職を超え、横のつながりを自発的に作る③一体感の共有:=経営の意図を五感で共有④活力の充填:=プロとして走り続けるためのエネルギーをチャージ⑤期待感の醸成:=「この会社なら未来がある」という確信を深める。
社員旅行では会社の方針を伝える「キックオフ」を大切にしている。会社の経営状態もすべて開示して、ともに経営に参加する意識を持たせるのが目的である。ゆるい社員旅行でも締めるべきところはこの部分であり、メリハリが自律型組織に変える。
当社は経営の透明性を確保するため「決算・現預金残高までの全社員開示」「残業代1分単位の全額支給」「入社半年後からの管理職登用」を徹底している。
(RIPPLE作成ニュースリリースを要約 10月19日)
RIPPLE社の沖縄社員旅行は、娯楽として眺めれば3日間800万円の出費にすぎない。だが企業行動として読むなら、それは人材確保難の時代における組織設計の一断面である。同社が述べる「ゆるさ」は放任ではなく、拘束の少ない場で関係資本を醸成しようとする意図として理解できる。
近年は、参加がなかば義務化された旧来型の慰安旅行は、私生活への侵入として受け取られやすい。その文脈で同社が自由行動を基調に据えたことは、福利厚生の押しつけを避け、選択可能性を残す方法論と言える。共同体への参加を命令でなく余白から生み出そうとする試みである。
一方で、同社が重視するのは旅行そのものよりキックオフにある。経営方針や財務状況、現預金残高まで開示する姿勢は、日本企業ではなお少数派だ。情報の非対称性を縮めれば、従業員はたんなる労働力ではなく、判断の主体として組織に関与できる。残業代一分単位支給や、入社半年後からの管理職登用も、年功より機会を前面に置く制度設計として一貫している。22歳店長で年収670万円という例は、その象徴的な数値だろう。
ただし透明性や抜擢人事は、つねに成熟をともなうとは限らない。数字の共有は安心にも緊張にもなり、早期登用は成長機会にも負荷にもなる。制度は理念だけで自走せず、運用する管理者の力量と、失敗を許容する文化が問われる。離職率3%という数字も現時点の成果であって、持続は保証されていない。
それでも同社の実践が示す意図は明快である。企業が命令ではなく納得、拘束ではなく参加、秘密ではなく共有によって組織を束ねていく。その変化への回答として、RIPPLEの方法は観察に値する。
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