2026/04/01

2020年に人事制度を刷新、翌2021年からビジョン実現の土台となる風土醸成を目的に「心理的安全性の高い職場づくり」を推進しているサッポロビール。
取り組み開始から現在に至るまでのプロセス、実際の施策にも触れながら、人財戦略の現在地と今後の構想を、同社人事総務部/組織開発プランニング・ディレクターの竹内利英氏が語った。
(中略)
2021年からは「心理的安全性の推進」に着手しました。育成評価制度に改めた際に、個人の業績だけでなく、チームのパフォーマンスにも主眼を置くと掲げていたので、チーム力を発揮するために必要な施策として始めました。
「心理的安全性の高い職場づくり」を始めた1年目には、まず人事担当役員と人事担当が心理的安全性の講習を受けました。そして、「これは非常に良い取り組みなので、全部署でやろう」となり、ミドルマネージャー以上の全役職者にも研修を受けてもらいました。
その際に、研修を受けるだけでなく、その後、それぞれの部署で上長自らファシリテーターとなってメンバーと研修を実施。全社員が共通認識をそろえて心理的安全性の高い職場づくりに励むこととなりました。
(Japan Innovation Review 3月23日)
心理的安全性は、1992年にハーバード大学のエイミー・エドモンドソン教授が提唱した概念。組織内で、上司や同僚などに異なる意見を言っても、意見が拒絶されたり、罰則の対象にならず、人間関係が悪化したりしないと確認できる状態を指す。「話しやすさ」「助け合い」「挑戦」「新奇歓迎」の4つで構成され、誰もが安心して意見を述べることができるため、忖度は不要である。
いまの職場は心理的安全性が保たれているかどうか。エンゲージメントの測定などさまざまな調査が普及しているが、端的にわかりやすいのは千葉県看護協会が作成したチェックリストだ。
次の危険信号を上げている。①朝夕の退社の時、挨拶をする人がほとんどいない。 ②トップや管理職は、自分の職場にはパワハラは存在しないと考えている。③人は厳しく指導することで育つという意識が強い職場だ。④今の職場には失敗やミスが許されない雰囲気がある。⑤業務上のノルマが厳しく求められ、目標が達成できなかった時のペナルティが大きい。⑥上司に対して、意見や反論は言えない雰囲気だ。 ⑦職場の誰かが困っていても、助け合える雰囲気ではない。⑧職場内での問題について、職場内で話し合って解決しようという雰囲気がない。⑨正社員やパート、派遣社員等、様々な立場の人が一緒に働いているが、上下関係が絶対的で、立場を意識した発言が散見される。⑩人の陰口や噂を耳にすることが多い。
これら10項目とは別に、ワンマン社長が威圧的に統制する職場は心理的安全性とは程遠く、プレッシャーのあまり業績数字の改ざんにまで追い込まれやすい。ただ、心理的安全性が保たれた職場は、ぬるま湯とは異なる。サッポロビールもこの通弊に注意して取り組んでいる。
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