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女性行員が法人営業で活躍…4期連続最高益の山陰合同銀行

日本で人口最少地域の島根県、鳥取県を主なマザーマーケットとする山陰合同銀行が、4期連続で最高益を更新している。背景にあるのは、これまで他業務を担ってきた女性を中心とした行員を法人向けコンサルティング業務へ再配置する「配置転換」だ。組織をあげたリスキリングを行い、対象行員を法人向けコンサルティング担当者として戦力化した。全国でも異例の取り組みについて、代表取締役専務執行役員の吉岡佐和子氏に話を聞いた。
(中略)
 ――行員にとって、それまで経験のない法人営業やコンサルに挑戦するのは、勇気のいることだったと想像します。どのように配置転換の対象者を決めたのでしょうか。
吉岡 まずは希望者を募り、手を挙げてくれた行員を対象に法人コンサルティング分野のリスキリングを行いました。エリア職で入行した女性行員の中にも、「法人営業に挑戦したい」「違う領域に踏み出してみたい」と考えている人は少なからずいます。定年まで同じ業務を続けることに不安を抱いている人もいました。
(中略)
現在、山陰両県の法人営業の約半数が女性行員です。リスキリングした女性行員が、山陰両県の店舗の法人コンサルティング分野を担うことで、従来担当していた山陰両県の店舗の同分野の人員を戦略分野・エリアへ積極的に配置しています。限られた人員の中で、戦略分野のリソースを増やせたのは何よりの成果ではないでしょうか。
(Japan Innovation Review 2月13日)

山陰合同銀行の業績は、貸出金と手数料収益が増加し、4期連続の最高益を更新したが、とくに手数料収益にコンサル業務が深く関連し、人員再配置とリスキリングが寄与しているという。
女性行員戦力化の成功事例に区分されがちだが、現実は、男女に関係なく行員がコンサルティング能力を身につけて成果を出したのだろう。すでに女性活躍という性差に由来するテーマ設定は古く、社員活躍に切り替えたほうが現実的である。
現に女性社員が大半を占めるLIXILAdvanced Showroom(東京都品川区)は「社員全員活躍」を掲げている。全国約80カ所のLIXILショールームを運営する同社の社員は1500人超。女性が9割を占める。
全員活躍推進策のひとつは、毎月のサーベイで全社員の意見を精査して課題を抽出し、課題に対する打ち手も現場でヒアリングしたうえで実施に移している。さらに全社員向けの方針発表会を毎月開いているが、発表会では、鈴木浩之社長が全国の拠点を訪問してみずから取材・撮影した動画が配信され、各拠点の現況が共有されているという。
いずれも女性に特化した活躍推進策ではないが、一方で、男性に特化した取り組みが実施されている。男性社員に生理痛を体験してもらい、「想い合い」をテーマに研修を行なっているのだ。奈良女子大学と甲南大学の研究チームが開発した月経痛を疑似体験できるVR装置を使用するのだが、男性の理解を促すには有効な方法だろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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