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実質賃金4年連続マイナス 25年、1.3%減

厚生労働省が9日発表した2025年平均の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業所)によると、物価変動を考慮した1人当たりの実質賃金は前年比1.3%減で4年連続のマイナスだった。マイナス幅は前年の0.3%減から拡大した。名目賃金に当たる現金給与総額は2.3%増で5年連続のプラス。併せて公表した25年12月の実質賃金(同)は、前年同月比0.1%減で12カ月連続のマイナスだった。物価高に追い付かない状況が続いている。   
25年平均の現金給与総額は2.3%増の月35万5919円だった。統計調査に用いる消費者物価指数が3.7%上がり、実質賃金は減った。  
現金給与総額の内訳は、基本給などの所定内給与が2.0%増の26万7551円だった。残業代などの所定外給与は1.3%増の1万9885円、主にボーナスの「特別に支払われた給与」は3.8%増の6万8483円だった。  
現金給与総額を就業形態別で見ると、フルタイムの一般労働者は2.9%増の46万5895円、パートタイム労働者は2.3%増の11万4455円。
(共同通信 2月9日)

「名目賃金上昇率の高まりに比して、収入増を実感する消費者はさほど 増えておらず、賃金上昇の実感が広がっているとは言えない」
内閣府が2月10日に公表した日本経済レポートはそう指摘し、賃上げ状況や業種によってさまざまである実態を報告している。
賃金水準が相対的に低い労働者の賃金上昇率がより高く、賃金差は縮小していて、 大企業と中小企業の賃金差も縮小傾向にある。ただ、中小企業の間で賃 上げ状況に二極化の兆しがある。業種別にみると、医療・福祉や建設など公共部門、官公需の影響を受けや すい産業では、人手不足感が高くても賃金上昇率が低い。
一方、賃金上昇率は若年層のほうが高い傾向にあるが、2024年は中年層にも賃金上昇が一定程度広がってきている。
こうして賃上げ状況にあって、これまでにも増して賃上げは人材採用・確保で大きなウエイトを占めている。
 帝国データバンクは「転職市場が活況となるなか、賃上げや福利厚生の改善によって良い人材を確保する動きが広がり、待遇改善をしないことによる人材流出リスクが中小企業を中心に高まっている」と指摘したうえで、「賃上げしたくても業績悪化などを理由に賃上げができない企業も多く、従業員に対し十分な報酬を支払う余力のない中小零細企業を中心に、従業員退職型倒産は今後も高水準で推移する可能性がある」と見通している。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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