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JALがなぜ「キャリア採用重視」へとかじを切ったのか

「新卒でなければ入社できない」「新卒採用占有率100%」と言われた日本航空(以下、JAL)が、人事施策を大きく転換し、新卒中心からキャリア採用を重視した採用形態にシフト。2024年にはキャリア採用比率が50%にも上昇した。思い切った採用改革に挑んだJALの狙いはどこにあるのか。人事部採用グループグループ長の高橋且泰氏に聞いた。
(中略)
 JALがキャリア採用を重視する採用改革に踏み切った理由は、コロナ禍を経て着手した事業構造改革にある。
 コロナ禍で航空事業に大きな打撃を受けたJALは、リスクを分散させるためにも、LCCやマイル・ライフ・インフラといった非航空事業に注力。これらを成長ドライバーとして、2021年から2025年の中期経営計画では利益目標2000億円を掲げた。
(中略)
 「専門性の高い知識や経験が必要となる現業に向けては、新卒で採用し、じっくり育成するほうが望ましいと考えています。一方、社会に近いところでイノベーションを起こし、価値を創造する領域では、キャリア採用によって、幅広く汎用(はんよう)性の高い知見を持つ人材を即戦力にしていくべきでしょう」(高橋氏)。
(Japan Innovation Review 2月6日)

 日本航空は今後の成長戦略で、フルサービスキャリア事業の国際線・貨物郵便事業・LCC事業や、資本効 率の高いマイル・金融・コマースなどの非航空領域の事業に積極的に投資 を推進するなど、重点的にリソースを配分していく。
この方針に沿って、LCC事業とマイル・金融・コマースなどの非航空領域で利益の半分を生み出す事業ポートフォリオを構築するが、その手段にキャリア採用を実施していく。
ホームページを確認すると中途採用の職種は、業務企画職(コーポレートコース/オペレーションコース/ビジネス・マーケティングコース)、業務企画職(データサイエンス・デジタルテクノロジーコース)、業務企画職(エアラインエンジニアコース)など。人事の重点課題は「人財ポートフォリオの最適化」である
常務執行役員人財本部長の大堀哲氏は次のように語る。
「航空だけに依存しない事業ポート フォリオへの変革を推進していくため、多様な職種に応じた最適な人財配置を実現することが求められる。事業構造改革に伴い、各事業 で求められる人財像も事業の成長に伴って変化していくため、まずはどの事業でどんなスキルを持った人財を、どれだけ必要としているかを見る化する取り組みを進めている」(「JALグループ統合報告書2025」)
 キャリア採用に加えて、日本航空は23年度に「高度専門人財制度」を導入した。航空機整備・設計、電装技術など高い専門性を必要とする分野や、DXやマーケティング、SAF調達、財務・法務といったビジネス、コー ポレート領域にも登用の幅を広げている。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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