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業績達成で年収1000万円超へ カプコン・辻本春弘社長

 ゲーム業界ではゲーム機の性能向上などを背景に開発期間の長期化や費用高騰が続く。カプコンは毎年100人以上の採用を続けるほか、給与水準の向上にも取り組む。辻本春弘社長は「勤続年数が長くなるにつれて年収があがり、社員が安心して生活できることが重要だ」と語った。
――2024年度の平均年収は約900万円と5年前から5割増えました。
「初任給も25年度から30万円に引き上げた。初任給も大切だが、前年と比べて年収をどれだけ伸ばせるかを最も重視している。数年前から利益に連動した賞与制度を導入しており、26年3月期の業績を達成できれば1000万円を超える予定だ。離職率も年々低くなっており、24年度の離職率は2・8%まで下がった」
 ――26年3月期は9期連続で最高の見通しです。
「今後も安定した成長を続けるには、既存シリーズを定期的に開発していくことが重要だ。それぞれのタイトルを応援してくれているユーザーを手放すようなことは決してしてはならない。業績が軌道に乗り会社に余裕ができたことで、休眠しているタイトルにも取り組めるようになった」
(日本経済新聞 1月17日)

 カプコンの人事体制は重層的である。代表取締役会長(CEO)が議長を務める人事委員会をおおむね毎月1回開催し、人材投資戦略を議論して方針と施策などを決定している。この委員会の議論と決定方針を踏まえ、CHOと人事統括のもとに「開発人事部」「東京人事室」「健康経営推進部」「経営企画部人材戦略チーム」「人事業務部」が横断的に連携し、取り組みを推進している。
 この体制のもとに2022年からグループ正社員に対して、平均基本年収の30%増額、業績連動性を高めた賞与制度の導入、株式報酬制度の導入などの施策を実施した。さらに世界に通用する若手クリエイターの早期発掘・育成を目的とした産学連携施策や、中途採用のチャネル拡充などの推進によって優秀な人材の確保に努めるほか、若手育成のためのOJTとOff-JTの充実や、管理職候補者に対するマネジメント力向上のための研修などを進めている。
 その結果、ワークエンゲージメントが向上した。25年3月期に前期と同等の水準となったほか、会社への愛着などに対する指標のエンプロイーエンゲージメントも緩やかに上昇している。離職率は3.0%程度を下回った。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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