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日本企業が断ち切るべき「マネジメントの悪しき慣習」とは?

人材の多様化が進むにつれて、多くの日本企業でマネジメントの難易度が上がっている。「管理職は罰ゲーム」という声も散見される中、マネジメントにはどのようなアプローチが必要なのだろうか──。こうした疑問に対して「外資系企業のフィードバックの仕方を知り、身に着けることで解決できる」と話すのは、2025年2月に著書『世界標準のフィードバック 部下の「本気」を引き出す外資流マネジメントの教科書』を出版した、We Are The People 代表取締役の安田雅彦氏だ。
(中略)
──外資系企業では、日常的にフィードバックが行われているのでしょうか。
安田 そうですね。なぜかというと、外資系企業では部下のパフォーマンスが悪ければ、それば全て上司の責任だからです。部下が決められた目標を達成するために十分な仕事をしているのか、成果が出ているのか、うまくいかないことがあってもこの会社で頑張りたいというエンゲージメントがあるか、その全てにおいて上司は責任を問われます。
 例えば、チームに入ってきた新卒社員が3年連続3カ月で辞めているとしましょう。そうなれば、「あの上司のチームはどうなっているのか?」と問題になります。上司は責任を問われて降格したり、給料が下がったりします。部下のパフォーマンスが低くてもそこまで責任を問われない日本の管理職とは、インパクトがまるで違うのです。
(Japan Innovation Review 1月15日)

 部下のアウトプットに問題がある場合、問題を指摘して、つい反応的にダメ出しをするが、なぜアウトプットにその問題が生じたのかを推察してフィードバックしたほうが、部下の思考を深めるやりとりができる。
 そのためにはマネージャーはプレーヤーとしても有能ではなければ務まらない。そのうえで部下を育成してチーム力を高め、チームの成果を創出することがマネージャーの役割である。
チーム力強化のポイントは、部下それぞれの個の力を伸ばすことで、その基となる自発的な思考力を向上させることが必須である。問われるのはコーチング能力だ。
安田雅彦氏は外資系企業内のフィードバック方法について、①事実(Example)②及ぼす効果・影響(Effect)③褒める・変更の提案(Congrats・Change)の3要素を必ず押さえて、この構造を「EEC」と呼ぶ。
これだけのフィードバックのできるマネージャーが外資系企業には揃っているのかどうかは不明だが、相応の知見をもっていないとEECを実践できないだろう。
一方、外資系企業のなかには、チームが上げた営業利益でマネージャーが評価される場合、ときに人件費圧縮を目的にマネージャーの権限で無用なリストラに走る例も少なくないと聞く。自分の評価のために部下を犠牲にする蛮行にほかならず、断罪してもよさそうに思うが、それがビジネスライクな判断として通用する風土の企業もあるようだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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