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介護報酬2-03%引き上げへ、「処遇改善」で26年度に前倒し改定

政府は、介護保険サービスを行う事業者に支払う「介護報酬」を2・03%、障害者向けのサービスを行う事業者への「障害福祉サービス等報酬」を1・84%、それぞれ2026年度の臨時改定で引き上げる方針を固めた。介護職員らの賃上げを進めるため、前回を上回る引き上げ幅を前倒しで実現する。 
両報酬は原則3年に1度改定される。次回は27年度の予定だったが、長引く物価高や他業種の賃金上昇を踏まえ、職員の処遇改善に関する部分について前倒しで引き上げる。介護報酬は来年6月に改定し、食費高騰の対応分も含む。
 24日にも片山財務相と上野厚生労働相が閣僚折衝を行い、医療機関などに支払われる「診療報酬」の改定率とともに正式決定する。前回24年度は、介護報酬が1・59%、障害福祉サービス等報酬が1・12%のプラス改定だった。
(読売新聞オンライン 12月22日)

処遇改善分が介護職の銀行口座に直接入金されず、事業者が振り分けていることに不満を持つ介護職は多いが、かたや事業者は、申請書や報告書の作成で煩瑣な手続きを強いられている。
この実態を踏まえて介護職の口座に国が直接入金しようとすればどうなるのか。介護職の人数は全国に約212万人である。全員が銀行口座に紐付けたマイナンバーカードを保有していれば、入金処理は手間取らないだろうが、現状ではコロナ禍で支給された持続科給付金のように事務処理を委託される「中抜き業者」が何層かに組み込まれ、無用な費用が発生してしまう。
手続き代行ビジネスが跋扈するだけなので、事業者に入金する現行の手続きを取る以外にない。
 それにしても介護職の処遇をいくら改善しても、財源が公費である以上、民間企業の賃上げには追いつかない。ファーストリテイリングは2026年3月に入社する新入社員(グローバルリーダー候補)の初任給を現行の現行33万円から約12%増の37万円に引き上げ、年収の目安は現行526万円から約590万円に改定する。
 賃上げの趣旨は「グローバル水準の仕事に挑む新入社員の処遇をさらに充実させる」。
地域正社員の初任給も引き上げ、現行25万5000円から約10%増の28万円、年収の目安は現行約407万円から約447万円に改定する。介護職の処遇改善を重ねても他産業とのイタチゴッコがつづく。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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