2026/01/07

「製薬だけで持続的な成長は望めない」。そんな危機感を背景に、薬にとどまらないさまざまなヘルスケアサービスの提供を目指す塩野義製薬。グローバルに活躍できる多様な人材の育成に向け、ハレーションも覚悟の上で踏み切ったのは、全社員の“再格付け”や所定労働時間の見直しをはじめとする抜本的な人事制度の改革だった。同社はどのような考えで、どんな人事施策に取り組んでいるのか。人事部長・河本高歩氏による講演の概要を紹介する。
(中略)
「製薬だけで持続的な成長は望めない」との危機感の下、同社は現在、「新たなプラットフォームでヘルスケアの未来を創り出す」ことを目指している。薬の提供にとどまらず、そこから派生するさまざまなヘルスケアサービスをグローバルに展開していく考えだ。
こうした背景を踏まえ、同社ではグローバル競争に打ち勝つ強い個人の育成と、多様な人材が活躍できる組織づくりを目指し、人的資本経営を推進している。
(中略)
新人事制度は、社員がより積極的にチャレンジし、やりがいを感じられる環境を整えることを目的に導入された。一般的に社員の評価は「等級」「評価」「報酬」の3つの側面で構成される。同社の新人事制度の構築において、特に大きな挑戦となったのが、「等級」に関する「再格付け」の実施だ。
(Japan Innovation Review 12月19日)
社員のチャレンジを推奨する組織風土をアピールする企業は数多いが、その真贋は自発的なプロジェクトや、社員が発案した事業の多寡に反映される。
塩野義製薬の場合、実際、社員の自発的プロジェクトが多数運営され、たとえば同社の成長を加速させた抗HIV薬テビケイの創薬プロジェクトは、「人類の新たな脅威であるエイズを撲滅したい」と考えた若手研究員が発案したプロジェクトが契機になったという。
同社は中期経営計画 (2023~30年度)に「『構造』を変え、構造を動かす『プロセス』を変え、プロセスを運営する『人材』を育てる事で、価値を創造する」ことを経営基盤構築の基本方針として、変革を進めていきます」と表明している。
変革を担う社員にどんなスペックを求めているのだろうか。
同社の社員は①コンプライアンスの徹底②既成概念の打破による進化③不屈の精神による貫徹④多様性の尊重⑤社会への貢献と共存――を価値観として大切にしているという。
そのうえで求める人材像は「他者を惹きつける強みを持ち、貪欲に知識とスキルを高めつつ、積極的に挑戦しやり遂げる人」。さらにマネジャー像は「人/組織の成長を支援し、賢明な意思決定を行う人」「イノベーションを起こし、社会と会社の発展に貢献する人」とハードルを上げている。
こうした土壌のもとに再格付けを実施した結果、処遇が大きく向上した社員もいれば、処遇が大きく下がった社員も出て、社内にはハレーションも生じたというが、イノベーションの推進にハレーションは付きものである。
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