Talk Genius

人と会社と組織を考えるニュースマガジン

三菱ケミカル、成長領域への経営資源の集中

三菱ケミカルグループは29日、連結子会社で化学事業を手がける三菱ケミカルで希望退職を募ると発表した。国内で3年以上勤める満50歳以上の社員が対象で、募集人数は定めない。業績が好調な中で人員削減を行う「黒字リストラ」となる。工場作業員など製造に従事する社員は除外し、従業員約1万7千人のうち約4600人が対象になるという。  
三菱ケミカルグループは成長領域への経営資源の集中を進めており、投資加速やコスト削減、人員構成の最適化が目的だとしている。
募集期間は11月17~28日で、退職日は2026年2月末。退職一時金と特別加算金を支給する。関連費用は現時点で300億円と見込んでいる。
(共同通信 9月29日)

黒字リストラは、新たなビジネスモデルに不適合と思えるシニア世代を退かせる施策である。社員を入れ替えざるを得ないほど大転換を図るのだが、三菱ケミカルの場合、
昨年度公表した「中期経営計画2029」に基づき、ケミカルズ事業の利益成長をめざして、事業ポー トフォリオ改革と収益改善に向けた施策を推進している。
「事業選別の3つの基準」に基づく事業の整理・売却では、2030年3月期までに売上収益ベースで4000億円相当のノンコア事業の整理・売却を進める計画のもと、25年3月期通期決算発表時点で2900億円相当の事業について意思決定を完了した。
また、「規律ある事業運営の3原則」に則って、価格政策、厳格な投資判断、資産最適化を徹底することで、2030年3月期までの5年間で、1400億円のコア営業利益成長をめざし、各事業の成長投資や構造改革などを進めている。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

この著者の記事を全て見る

Talk Geniusとは-

ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。