2025/09/25
先日、新入社員を対象とした調査で、「成果主義」より旧来の「年功序列型」を望む声が初めて上回った。背景には、若者の仕事観が“競争”から“安定”へと変化したことにあるが、働き方にも「フリーランスからの会社員回帰」の変化があるという。
き方改革が進み、コロナ禍によりリモートワークが広がる中、国を挙げて推奨するフリーランス新法ができるなどの動きもあった。今や1300万人以上、10人に1人がフリーランスとして働く時代。こうした流れがある中で、なぜ会社員に戻る人が増えているのか。『ABEMA Prime』では、現在フリーランスから会社員に戻りたいという当事者に話を聞いた。
フリーライターとして働く於ありささん(33)は、大学を卒業後、正社員として出版会社で編集業などに携わり、その後フリーの道へ進んだ。フリーランス歴8年目になるが、経緯について、「会社員のときに体調を崩してしまい、次の会社が見つかるまでフリーランスとして働いてみようかと思ってた」。また、当時は20代前半だったこともあり、「合わなかったら就職しよう」とフリーランスになることへの不安はなかった。
(ABEMA TIMES 9月21日)
昔から「フリーは不利」といわれてきた。仕事の受託先との関係では優越的地位を乱用されても、取引停止を怖れるあまり甘受せざるをえないことは、けっして少なくない。実際は理不尽な要求には毅然と対応すれば、すんなりと引き下がる相手もいるのだが、リスクをともなうことは否めない。
しかも収入が出来高払いであるケースが多く、毎月の収入が保証されているわけではない。毎月業務を委託されても、委託先を変更されれば、その収入は途絶えてしまう。問われるのは、代替が容易でないだけのスキルを持っていることや、受託先を分散してリスクヘッジを図れる人的ネットワークを固めていることだ。
かりに固定報酬で年間契約を結んでいても、翌年の契約更新は不透明である。
さらに自営業なので加入する公的年金が国民年金だが、60歳を過ぎて受給する立場に移行しても、受給額は毎月6万5000円程度に過ぎず、定年まで勤めた人が受給できる厚生年金プラス国民年金の平均14万4000円の半分に届かない。
こうした実態を踏まえて、会社員に転じようと思っても、ここでも不利である。ワガママで組織に適応できないと見なされがちなのだ。とくに30代の半ばを過ぎたフリーランス見る目は厳しいと聞く。
あくまで一般論だが、フリーランスにならずにすむのなら、勤め人にとどまったほうが生計の安心を確保できる。
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