2025/08/22
今や転職が当たり前となった時代。それは40代・50代のミドル世代にとっても同様で、10年前に比べ約6倍と大幅に増加している。しかし、そんな「中年新人」を受け入れる側からは「作業が遅く、覚えるのも遅い」「変なプライドだけ高く、発言と行動が伴っていない」といった不満の声があがっている。
金融のトレーダーをやっていたドングリさん(40代)は、独学で身に着けたプログラミングで40代にしてIT業界に転職した。しかし現実は、「年下の35歳くらいのリーダーと一緒に仕事をして『そんなことも知らないんですか?』『基本中の基本ですよ』と言われながらも悔しい思いをしながら仕事にしがみついていた」。
営業としての腕を買われ転職したアワさん(40代)は、「ヘッドハンティングされるとどうしても舞い上がって、『いけるに違いない』と過信してしまう部分がある」と話す。転職後は歩合制だが、結果が出ず、収入が激減し、「仕事のことよりも、支払い、毎月のやりくりばかりが頭にきて仕事が何も手につかなくなる悪循環が出てきた」。
(ABEMA TIMES8月11日)
転職したミドル世代は即戦力として雇用されるが、スキルの発揮とカルチャーへの適応の両面で即戦力であることが求められている。スキルだけでなく、40代なら20年を超える社会経験を踏まえて、異質なカルチャーにも適応できる処世の術を身につけているとみなされる。カルチャーに適応できなければ柔軟性に欠けると評価されるのである。
さる7月、エン・ジャパンがミスマッチの実態に迫る調査結果を発表した。人材紹介サービスの転職コンサルタント171名に「入社後ギャップ」について回答を得た。
171名のうち4割が「入社後ギャップを感じるミドル人材が多い」と回答し、ギャップの上位は「人間関係」「仕事の進め方」「仕事内容」だった。入社後ギャップが生じる原因は「情報収集が不十分だった」「転職先企業への期待値が高すぎた」。
ギャップを防ぐために押さえるべき情報は「一緒に働く同僚の情報」「職場の風土・社風」。
この情報収集について、回答した転職コンサルタントは「転職エージェントに詳細を確認する必要がある。エージェントは候補者が聞けない『過去に同部署に入った方がこのようなギャップがなかったか』を代行して探ってくれる」「企業ホームページをしっかりと読み込む。また鵜呑みにしてはならないが、参考程度に口コミサイトの活用という手も」と助言する。
エージェントに入社した会社に転職したミドル世代を紹介してもらい、実態をヒアリングするのもよいだろう。
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