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50代、企業超え学び直し サントリーやパナ系が合同研修

サントリーホールディングス(HD)やパナソニック系企業が連携してミドルシニア社員のリスキリング(学び直し)に乗り出した。経験の棚卸しや今後のキャリアプランづくりを促すカリキュラムを提供。企業の垣根を越えて同世代の仲間が刺激し合い、励まし合うことでキャリアの後半戦に挑む意欲を高める取り組みだ。
「キャリアコンサルタントの副業を始めた」
「社内起業プログラムに参加している」
6月上旬、都内の会議室に集った40代後半から50代の約20人が、直近半年に取り組んだ新たなキャリアの挑戦を発表した。参加者は、サントリーHDなど6社が2024年9~11月に合同で実施した研修プログラム「異業種共創ライフシフトキャリアラボ(LSCL)」の卒業生だ。
 LSCLは、中高年社員のキャリア支援を人事課題と位置付けるサントリーHDが発表。パナソニックコネクトやソニーグループ、味の素なども趣旨に賛同し社員を送り込んだ。中高年の研修を手掛けるライフシフト(東京・港)が講座開発や講師派遣で協力した。
(日本経済新聞 8月8日)

 中高年社員はリストラするのかリスキリングするのか。黒字リストラが増える一方で、リスキリングで戦力化する流れに分かれていきそうだ。株主が期待するのは黒字リストラかもしれないが、中高年社員はよほど退職金が多額でない限り、リスキリングを望むのではないだろうか。
ベストセラー『LIFE SHIFT(ライフシフト)100年時代の人生戦略』と同じ名称の研修サービス会社・ライフソフトは「80歳まで現役力を保つための変身資産」として①人生にポジティブで変化や挑戦に前向きになれる「マインド」②知識・スキル・経験の広さや深さからなる「知恵」③悩みの相談ができる友・ビジネスの助け合いや社会的つながりの人脈を表す「仲間」④社会的信用や独自性に裏打ちされた自分の「評判」⑤心身ともに問題のない「健康」――この5つを挙げる。
これに付け加えるとしたら老害に陥らないための言動の心得だろう。中高年社員が張り切る姿は、ときに若手社員の目には老害に映りかねない。そのギャップをどう防げばよいのか。
ライフシフトは、青(若者)とシルバー(中高年)の住み分けとコラボレーションが社内の日常になる組織風土づくりとして「青銀共創」のカルチャーを提言する。新しい経営テーマだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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