2025/08/12
キリンホールディングスは、経営層の意思決定を支える“右腕”として「AI役員 CoreMate」(CoreMate)を7月以降のキリングループ経営戦略会議に本格的に導入すると発表した。「KIRIN Digital Vision2035」に基づく取り組みで、経営戦略会議に多様な専門性と意見を持ち込み、意思決定の質とスピードを向上させるのが狙い。本格導入後は、年間30回以上のグループ経営戦略会議で「CoreMate」が活用されるとしている。
「CoreMate」には過去10年分のキリンホールディングスの取締役会とグループ経営戦略会議の議事録データや社内資料、外部の最新情報が読み込まれており、キリン独自の“12名の人格”を構築。複数のAI人格同士が、経営戦略会議の中で議論するべき論点や意見を交換させ、抽出された数個の論点や意見を、実際の経営戦略会議で経営層に提示するという。
将来的には、取締役会やグループの事業会社における経営戦略会議等へ順次展開する予定。また、会議参加者同士の議論内容をリアルタイムで可視化する機能や、会話型の「CoreMate」の開発等の機能拡張も予定している。
(Impress Watch, 8月4日)
キリンホールディングスは「CoreMate」活用による利点に、生産性向上と価値創造を挙げている。
生産性向上では、経営戦略会議に付議予定である起案者が事前に「CoreMate」と付議内容を壁打ちすることで、多様な経営視点を事前に取り込み、与件整理や資料作成の精度が向上する。事前に付議内容の確度を高めることで、会議準備の効率化やグループ経営会議時間の短縮に加えて、経営層・担当者が価値創造活動に専念できる時間創出が期待されるという。
価値創造では、「CoreMate」が過去のキリングループの経営知見に加えて外部の最新専門知識を専門知識を継続的にアップデートすることで、経営会議での経営層による議論の質向上と迅速な意思決定を促進する。AI人格を介して客観的で多様な意見の取り込みが即座に可能となり、変化の激しい外部環境に対応しながら、イノベーション創出につながる意思決定の加速が期待されるという。
キリンホールディングスはグループ経営戦略会議で「CoreMate」を導入し、取締役会及びグループの事業会社における経営戦略会議などへ順次展開することを予定している。集合知の最大化を意図しているのだろう。
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