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東急不動産、ビル清掃・ホテルに外国人材 紹介会社を設立

東急不動産ホールディングス(HD)は8月、ビル清掃やホテルの接客などを担う外国人材の紹介事業に参入する。新会社を設立し、2030年度までに主にアジアから延べ2000人規模の人材をグループ企業や他社に紹介する。相次ぐ再開発で高層ビルが増える一方、少子高齢化による採用難が続く。自社で紹介業を手掛けて人手確保と事業領域の拡大につなげる。
新会社「グローバル・ゲートウェイ・ジャパン」はビル清掃を請け負う孫会社、東急ビリメンテナンス(東京・世田谷)が設立した。資本金は資本準備金を含めて2億円となる。
紹介する人材は在留資格「特定技能」の取得者が対象で、まずはビル清掃やホテル・飲食店における接客スタッフが中心となる。専門性の高い在留資格「技術・人文知識・国際業務(技人国)」では、機械技術者やホテルフロントの人材を確保する。今後は農業などの分野にも対象を広げる。
初年度は東急ビルメンテナンスが新会社を通じて50人採用する。30年度までに延べ約1000人を受け入れ、外国人材の比率を現在の5%から40%程度まで高める。
(日本経済新聞 8月3日)

日本人の人口減少が加速し、労働力の確保がますます困難になる見通しだ。総務省が発表した2025年1月1日時点の人口動態調査によると、日本人の人口は前年比で約90万8000人(0.75%)減の1億2065万3227人だった。それだけでなく、減少数も減少率も1968年の調査開始以降、過去最大を記録した。
正反対の傾向を示したのが外国人の人口である。前年比で約35万4000人(10.65%)増の367万7463人となり、調査開始の13年以降最多を記録した。
 適正な外国人政策を講じたうえで、外国人労働者の受け入れを進めないと現場が廻らなくなり、人手不足倒産が頻発しかねない。外国人材の質向上も枢要な課題で、グローバル・ゲートウェイ・ジャパンが提供するようなサービスは需要が増えるだろう。
 同社は外国人材の学習進捗や成長を客観的に評価・証明する「3ステップのサーティフィケイト制度」を導入し、受入企業は候補者の資質や習得度合いを明確に把握でき、安心して採用・育成に当たれるように配慮している。
サーティフィケイトのステップは、STEP1が面接前の学習修了の証明で、現地提携学校で指定カリキュラムを修了したことを証明。面接対象者としての適格性を可視化する。STEP2は内定後の事前教育の修了照明で、分野別に必要な知識・技能を内定者向けに提供。得意分野や学習姿勢の評価を行なう。
STEP3は入国後1年後の成長評価で、生活・技能・語学力の3軸で実地評価を実施。受入企業と連携して、一人前の就労者としての認定を行なう。
 こうしたプロセスの通過を義務化できればよいが、それでは受け入れ人数が制限されてしまうという弊害が出てしまうだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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