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損保ジャパン、社員学び支援に年20万円 政策株売却益で

損害保険ジャパンは政策保有株式の売却益を原資に使って、社員の自律的な学びを後押しする制度を始めた。年20万円を上限に資格取得や講座の受講にかかる費用の50%を補助する。対象は会社が指定した中小企業診断士など173の資格。専門性を磨く人的投資に力を入れる。
SOMPOホールディングスが政策株の売却益を原資に設けた300億円規模の人材育成ファンドから資金を捻出する。
24年度の政策株売却額は4293億円だった。24年6月に資本・業務提携したRIZAP(ライザップ)グループが展開する英語学習プログラムも受けられる。
実施期間は28年6月末までの3年間。約2万人いる全社員が対象で、ひとりにつき3年で最大60万円の補助を受けられる。
(日本経済新聞 7月25日)

損害保険ジャパンは人材育成について「7つのチカラ向上」を掲げている。7つのチカラとは、情報探索力、問題発見力、課題設定力、企画創造力、業務遂行力、組織開発力、人材育成力である。
社員教育では、若手社員向けの人材育成プログラム「Innovation Z」やシニア社員向けの「シニアリスキリングプログラム」など世代別のプログラムを設けている。シニアリスキリングプログラムは、シニア層が社内外で活躍するための教育プログラム。外部機関のノウハウやスキルを人材教育の仕組みにリンクさせているという。
社内外での活躍という目的には、退職後を視野に入れていることがうかがえる。新たな勤務先の業種が異なっても能力を発揮できるポータブルスキルを保有してないと、キャリアの晩年が不遇な日々に陥りかねない。
リスキリングには厚生労働省が助成金を提供している。2022~26年度の期間限定の助成金として「人材開発支援助成金」を創設した。事業主が労働者に対して新たな分野で必要となる知識や技能を習得させるための訓練を計画に沿って実施した場合に、 訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する。
助成する分野は、人材育成支援コース、教育訓練休暇等付与コース、建設労働者認定訓練コース、建設労働者技能実習コース、人への投資促進コース、事業展開等リスキリング支援コース。
リスキリングの効果検証も必要だろうが、効果が認められなければリストラ圧力が強まってゆくのだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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