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新社会人の転職サイト登録者激増 企業とのミスマッチングどう防ぐ?

超売り手市場を背景に若手社会人の転職が注目されている。入社早々に転職サービスに登録する人が大幅に増加。若者の離職に多用されるようになった退職代行サービスを企業が利用するケースも出てきた。早期退職を引き起こすミスマッチをどう防ぐか。
 転職サービス「doda(デューダ)」によると4月、サービスに登録した新社会人は前年から13%増加。調査を始めた2011年の31倍となり、過去最多に上った。社会人全体で7倍に増えたのと比べ、新社会人の伸びは顕著だった。  
超売り手市場を背景に若手社会人の転職が注目されている。入社早々に転職サービスに登録する人が大幅に増加。若者の離職に多用されるようになった退職代行サービスを企業が利用するケースも出てきた。早期退職を引き起こすミスマッチをどう防ぐか。
転職サービス「doda(デューダ)」によると4月、サービスに登録した新社会人は前年から13%増加。調査を始めた2011年の31倍となり、過去最多に上った。社会人全体で7倍に増えたのと比べ、新社会人の伸びは顕著だった。  
デューダ編集長の桜井貴史さんは「必ずしも転職を急いでいるというわけではない。若い世代は自分らしく働きたいとの意向が強く、より希望のキャリアがかなう企業にアンテナを張っているのではないか」と分析した。
(毎日新聞 6月20日)

10年以上前に聞いた話だが、当時の大学生には、新卒入社した会社を何年目で辞めて次にどの会社に転職するというプランを描く人がけっして珍しくないと。就職しないうちに転職のプランを考えても意味はないだろうと思ったが、知り合いの大学生に「いまはそういう時代である。学生のうちに転職のプランを考えるのは社会人生活に前向きな姿勢の現れだ」と諭されたものだ。
この一件があるので、転職サービスに登録する新社会人が増加したというニュースに違和感はない。石の上にも三年ということわざは、キャリア形成に関しては、もはや風化したのである。ただ、そうした大学生が新卒入社後にどんなキャリアを辿ったのかはわからない。
そもそも20代はどんな理由で転職するのだろうか。2023年7月~24年6月の1年間に転職した人を対象に「doda」が調査したところ、転職理由の1位は4年連続で「給与が低い・昇給が見込めない」。以下「人間関係が悪い/うまくいかない」、3位は「社内の雰囲気が悪い」(21.1%)、4位「労働時間に不満(残業が多い/休日出勤がある)とつづいた。
いずれの理由もキャリアステップではないが、のちに振り返ると場当たり的な転職でも、キャリアの積み重ねになっている場合も少なくない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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